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放課後になり帰る用意をしていると廊下が騒がしくなっていた。いつもはそれに反応するが考えていたら気づくものも気づかなかった。
「カズくーん」
「「久しぶり~!!」」
「げっ、」
俺の前には生徒会役員のみなさまが居た。いつもは逃げられるのに気づくのが遅かったから逃げるの失敗した。
最悪だ‥‥‥。
「げ、とはなんだ和輝。そんなに俺に会えて嬉しいか?」
「んなわけない。」
「‥‥‥」
バ会長が変なこと言ってくるが即答で断ってやった。今、俺非常にイライラしてんですけど。捕まらずに佐久間のとこ行って話聞きたかったんですけど。
「久しぶりに生徒会室来ませんか?」
「行かねーよ」
「「えーなんで!!?」」
「‥い、こう」
あーもう、うるさいな。早く佐久間に会いたい。むしろ癒されたい。生徒会役員たちの言動にイライラしてると後ろから話しかけられた。
「瀬田川!」
「ちょっといいか?」
振り向くとクラスメイトだった。真剣な感じだったから、役員たちに言って2人に近寄った。
「なあ、佐久間は?」
「はあ?」
「さっき、瀬田川に呼び出されたからって行ったんだけど帰ってこないんだ」
「佐久間と俺らも部活だし、すぐ戻ってくるって言ってたから待ってるんだけど戻ってこなかったから教室覗いてみたら瀬田川居るからさ」
「俺、呼び出してないけど‥‥‥」
佐久間が戻ってこない?しかも俺が呼び出したって‥‥。そんなことしてない。なんでだ‥‥‥?
いきなり避け始めた佐久間。久しぶりに来た生徒会役員たち。生徒会役員たちの方に目を向けてみる。
‥‥‥待てよ。
今、気づいたけど会計の姿が見つからない。必ずあのメンバーに居るはずなのに、俺に会いに来たときから居なかった。
まさか‥‥‥
俺は急いで役員たちの元に行って会長の胸ぐらを掴んだ。周りが騒いでても無視だ。どうでもいいから早く佐久間の安否が知りたい。
「‥‥‥会計はどこに居る」
「‥‥‥仕事してるが?」
「お前らがここに居るのに会計が仕事してるはずないだろうが。‥‥‥‥佐久間はどこだ」
本当に許さない。佐久間に何かあったら絶対許さない。
今の俺は余裕がない。佐久間が何かあったらと考えるだけでおかしくなりそうだ。怒りが抑えきれないがこいつは生徒会長。そのことはわかってる。だから殴れないが返答次第では何するかわからない。それほど大切な存在なんだ。
自然と怒りで手が震え、睨みも強くなる。
「もう一度聞く。佐久間はどこだ」
もう一度伝える。これで答えなかったら殴る。周りが騒いでても気にしない。退学でも構わない。
「‥‥‥佐久間は、」
会長は諦めたように口を開き始めた。
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