18人が本棚に入れています
本棚に追加
⑵
「誠治ー!おはよ!!」
「おー将!おはよ。今日も元気なのな」
「まぁね!!!元気が一番だよ!」
「将は元気なのが似合う!」
「ば、ばか言うなよ!」
とか言いながら、えへへへへと照れながら笑うこいつは1週間前に転校してきた村越将。髪型はモジャモジャでオタクだけど、中身は普通くらい。若干KYでうるさいと感じる。
こいつが転校してきて何か面白くなると思って、しゃべりやすい爽やかを演じて側にいる。こいつは気づいてないみたいだけど。
初めは、何故かこのKYを発揮してか生徒会や人気者に好かれていった。俺らのクラスの委員長も惚れたみたいだ。ちなみに、俺も惚れてる演技してる。
最初は楽しかったけど、だんだん転校生が面倒になったが気になるのは転校生と同室者の我妻恵人だ。
学園一の不良と噂されているやつだけど、転校生と一緒に行動している。やつも転校生を気に入ったのだろうと初めは思ったがそうでもないみたいだ。一方的に転校生が我妻に詰め寄って居るようにも見える。
「あ!恵人も誠治に挨拶しろよ!」
「‥‥‥」
我妻は俺をチラリと横目で見るくらいで、すぐに目線を反らして自分の席に向かっていってしまった。
「あーあ。あいつもしょうがないなー!俺が他のやつと話してるからって嫉妬しやがって~。俺が居ないとダメなんだよな恵人は!あ、悪いな誠治。あいつ一人にしておけないから行くな」
俺の返事も聞かずに、転校生は走って我妻のところに行ってしまった。
どうみても嫉妬してないだろう我妻は。そう思うのは俺だけか?
ただ、気まぐれなだけだと感じる俺は間違っているのか。
すごく我妻の事が気になってしまった俺は行動に素早く移った。
俺は、転校生の村越に近づいて気だるげな我妻の元に行き適度な距離感を保てるようにした。
最初のコメントを投稿しよう!