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「‥‥‥泣き虫」 「っ‥‥‥」 「昔から変わらなすぎるだろうが」 つつっと首を舐めて鎖骨辺りに来たら強く吸って痕を残す。綺麗な色白の肌に赤の痕が綺麗に主張している。 残した後に、そこに噛みつく 「いっ!!‥‥‥っ小諸」 顔を上げて我妻の顔を見てみるとさっきよりも涙を流していた。その姿が可愛すぎて、綺麗すぎて、もっと泣かしたくなる。あ、鳴かしてもみたい。 我妻が流す涙も全部全部俺のものでありたい。 だけど、そんな自分を抑える。 「なぁ‥‥お前は俺のことどう思ってんの?」 わかってるけど、我妻の口から聞きたい。見るところ、我妻の性格なら自分から言うのは嫌だろう。だからこそ、言わせたい 「んな!?‥‥‥わ、わかってんだろ」 「わからない。嫌ならもう我妻には関わらない。近寄らない。」 「っ‥‥‥、」 驚いたように目を見開き、さっきやっと泣き止んだのにまた涙が溢れてきている。泣くってわかってるけど、我妻から聞きたい。ちゃんとした言葉で聞きたい。 「どうした?我妻」 「っふ、ばかやろっ」 我慢していた涙がまた溢れだした。 我妻は、俺の胸元に自分の額をぐりぐりと押し付けて来て小さな声で何かを呟いた。 その何か言ったことは理解できたけど、はっきりと言わせたい。 「ん‥?」 「っ‥‥‥‥好きだ」 今度ははっきり声に出して伝えてくれた 今わかったけど、どうしても俺は我妻を泣かせたいらしい。ときどき笑ってくれることにキュンとして好きだけど、それ以上に泣き顔が好き。俺を思って泣いてくれてるのかと思うとどうしようもない感情がわき出てくる。 「‥‥‥ばーか。俺も好きだからな、恵人」 「っっ‥!」 「はは、顔真っ赤だ」 「ち、ちが‥‥」 「ふーん。耳まで真っ赤なのになー。」 「うっ‥‥‥うぅー。」 「ほらほら、恵人は俺の名前呼んでくれないのか?」 「‥‥せ、せ‥い、じ」 小さい声で呟いて顔を真っ赤にする恵人が可愛くて仕方ない。本当にウサギみたいな小動物。 「んー、聞こえなかったなー」 「っ、誠治はいじわるだ!」 見た目不良で中身ウサギで泣き虫って知ったらみんな騒いで、きっと恵人を好きになるだろう。 目元が赤くてまた涙が溢れそうになっている今日から俺だけの我妻恵人を強く強く抱き締める 「泣いても喚いても、絶対離さないからな」 そう赤い目元を見ながら恵人に伝えて、微笑みかけた end
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