ダウンロードした能力が、梅干し関連ばかり!!

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騒がしい目覚まし時計のアラームで強制的に起こされては、また意味あるのか分からない一日が始まる。 何か今日も学校に行きたくない、なんてことはない理由だが毎回の如く弁当の梅干しを奪取されるので腹立たしい。 言ってしまえば二年もマイ梅干しを取られていることになるだろう、理由は何であれ人にものを取られることを良しとしない自分にとってはこれ以上ない屈辱である。 まぁ両親には。 梅干し取られるから学校行きたくないなんて言える筈もないが、本当に悩むべき死活問題である。 しかも紀州南高梅だからね? 超が付く高級品だよ? それを二年間もの間、毎日とられてみろ。 さすがにガックリくるから、いや本当に食べ物の恨みは恐ろしいんだからな!! いつか、この恨みは晴らしてやる。 梅干し神の前にひれ伏せとは、まだ言わないことにしておく。 取り敢えず着替えて学校行こう、食べられる前に梅干しを食べてしまおうか。 因みに僕は健全だ、健全な美男子だ。 「着替えの描写とかあるはずないだろ、いろいろと大変なんだよ序盤から切羽詰まっているけどな!!」 着替え終わると弁当だけ持って学校に向かう、今日は気分が良いな梅干し二つも入っているからな。 まず一つ取られるのは想定内、だったらその間に残りの一つを頂く。 勝ち誇るがごとく偉ぶる友人の弄りをかいくぐるのにも、そろそろ慣れる頃合いだな。 一つ言っておこう、問題は梅干し事件だけではない。 通学路においても多数の罠はお決まりのパターンなんだ、分かるよな? 障害物の嵐なんだよ。 一方的に話しかけて凄い長話する八百屋のおばちゃん、しかも朝早くから店の売り物を買うように進めてくるな。 荷物になるだろ考えろよ、せめて帰りにしてくれないかな。 そういう問題じゃないけど、そう言わないとやってられない。 あと妹のサチお前なんで通学の邪魔してんの、普通に兄を駄目にする気満々かよ何様だし。 通せんぼしながら、楽しそうに言う。 「学校行くよりお兄ちゃんの邪魔したほうが楽しいもん、あとお前のこと凄く下に見てるし。あ、こないだ梅干し二個食べたのあたしー」 ほう、それは聞き捨てならんな。 触らぬ神に祟りなしだぞ兄妹だからといって手加減はしない、ていうか梅干し食ったのお前かよ! しかも二つとか鬼畜かよ。 下に見てるって何、お前よりは賢いわ。 「お前が帰った後に取る行動は梅干しを献上した上で謝罪するか、謝罪したうえで梅干しを納品するか」 それだけ言って立ち去ろうとしたが、待てよ何で人のマイ梅干し持参してんの。 お前は給食あるだろ、あれか梅干しを忘れてるよ的な。 「うん、おいしー」 美味しそうにほおばる妹に、心底腹が立った。 でも梅干し(紀州南高梅)の価値が分かるとは、さすが梅干し神(妹)だ。 でも、やっぱり梅干し大好きだし。 羨ましいわ、返せよ(怒) 「酷いな、軽くショックだわ〜てか全部食う気かよ、ホントひでぇな!!」 「お兄ちゃんの物はアタシの物、アタシの物は当然アタシの物で世界の物もアタシの物だから」 いや、世界レベルのジャイアニストかよ!! 梅干し神スキル発動するわ、目に物見せてくれる!
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