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友季が舞をソファーから抱き起こし、舞は恥ずかしそうに俯いた。
(はしたないって、思われたかな……)
自分が酷く滑稽に思えてしまい、まだ涙を流し続ける舞の頬を、指先で優しく拭った友季は、
「でも、好きな女の子にそんなことを言われて喜ばない男はいないから」
相変わらずの優しい笑顔を舞に向ける。
「だから、舞のその気持ちはすげー嬉しいよ。ありがとうな」
そして、壊れ物に触れるかのように舞を優しく抱き締めた。
「トモくん……」
「うん?」
体を離して舞の瞳を覗き込む友季の表情は、どこまでも優しくて穏やかで。
それが、どうしようもなく舞の胸を締め付ける。
「好き……大好き」
吐き出すと、とても楽になると同時に胸が温かさで満たされる気がする。
それでも、全然伝え足りない。
「トモくんが、大好き」
「舞……!」
友季が、舞の頬にそっと手を添える。
やはりそれが友季の癖なのだと確信した舞は、静かに目を閉じる。
すぐに重なり合う唇と、舞の口内に滑り込んできた柔らかい熱に、
「……んぅっ……」
舞は苦しそうな吐息を漏らした。
一度しっかりと抑え込んだはずの友季の欲求は再び熱を帯び、
「……っ」
ダメだと分かっているのに、舞を貪るのを止められない。
(まずい……このままだと……)
焦った友季は、咄嗟に自分の太ももを渾身の力を込めて思い切り抓った。
「っ!」
その痛みでなんとか我に返り、慌てて舞を離す。
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