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(キスマーク、って……今の痛いのがそうなの!?)
恋愛初心者の舞には、友季の与えてくれるもの全てが初めてなので、ちゃんと説明してもらわないと分からない。
慌てて胸元を確認しようとして、
「!」
下着ががっつり見えていて、それに気付いた友季が慌てて舞から離れて顔を背けた。
舞は一旦友季に背中を向けてから、
(あ、本当だ……赤くなってる)
左胸に付けられた赤い印を確認した。
キスマークを胸に付けるのは、
(強い独占欲……だっけ?)
そんな意味があると、どこかで聞いたことがあった。
よく考えれば、今日喧嘩したのも友季の嫉妬が原因だったし。
「トモくんって、ヤキモチ焼き……?」
パジャマのボタンを留めながら首だけで後ろを振り返ると、
「……何を今更」
友季にまた後ろからぎゅっと抱き締められた。
「彼女がこんなに可愛いのに、他のヤツに言い寄られてるの見て平気でいられるわけないだろ」
言いながら、友季が腕に力を込める。
「結婚だって、してもしなくても本当は別にどっちでもいいんだ」
「えっ?」
「ただ舞を独り占めするには、それが一番確実かなって思ってるだけで」
友季の苦しそうな声が、舞の胸を切なく締め付ける。
「トモくん……」
「……早く、舞を俺だけのものにしたい」
友季の熱い吐息が舞の項にかかり、舞は体温が一気に上昇するのを感じた。
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