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「……舞といて、そういうこと考えるなって方が無理だっつーの」
友季が赤く染まった顔を舞から隠すようにして背け、
「えっ……」
舞の顔も更に赤みが増す。
「ロリコン」
照れ隠しのためにぼそっと呟いた舞の一言に、
「出会った頃のつるぺたの舞には、流石に俺もそんなことは考えないぞ」
友季が真面目なトーンで返した。
「ねぇ。ちょっと一旦、胸の話から離れて」
「えー、残念」
何が残念なのか舞にはさっぱり分からないが、
「あっ、待って」
出しすぎたチョコチップを袋に戻そうとしていた友季の腕を、舞が慌てて掴んだ。
「えっ、何? 触ってもいいの?」
友季は冗談のつもりで笑って言ったが、
「……別にいいけど」
舞のそんな言葉に、
「えっ!?」
動揺して固まった。
「……」
しばらくの間、無言のまま舞と見つめ合った後、
「……まだやめとく」
友季は恥ずかしそうに舞から目を逸らす。
「お楽しみは、もう少し後に取っときたい派だから」
何を言ってるんだ俺の口は、と思いながらも、もう訂正することは出来ないので諦めた。
「……で? 何を待てって?」
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