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何度も角度を変えて深く絡み合う舌に、
「はぁ……ん……」
呼吸のし方すらも分からなくなった舞が、苦しそうに友季の服の胸元をぎゅっと掴む。
(こういうのが俺を煽ってるっていうのは……無自覚なんだろうな)
それが何だか癪に障った友季は、
(やっぱり、簡単には離してやりたくない)
舞の後頭部を右手で支えて、左手は舞の腰をぎゅっと引き寄せる。
「んむっ……!?」
突然、噛み付くような激しいキスに変わり、驚いた舞はびくっと体を強ばらせた。
そのまましばらくの間貪られ、やっと気が済んだらしい友季がゆっくりと唇を離す。
「……チョコの原料が手元にないから、今日の試作はもう中止」
乱れた呼吸を整えながら、何事もなかったかのようにさらりと言い放った。
「……」
呼吸を大きく乱された舞は、未だにドキドキする胸を押さえたまま、一生懸命に呼吸を整えようとする。
そんな舞に、
「今日の舞は俺のクッキーの味がしたな」
友季は楽しそうにカラカラと笑った。
しかし、
「トモくんの意地悪」
舞に涙目で睨みつけられ、
(うっ……可愛い)
結局は、友季も顔を真っ赤に染めさせられる羽目になった。
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