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恐る恐る訊ねた舞に、
「お前の耳は自分の声も聞こえないのか?」
露骨にムッとした友季が質問で返した。
「でも、そうか……俺の顔には興味ないんだな」
友季は何やら納得したように頷くと、
「じゃあ、お前……えーっと……」
「鈴原さんです」
上田が友季に舞を紹介し、
「鈴原。この苺のヘタ取りをしておけ」
作業台の上に大量に積まれた苺の箱を指差した。
「見た目が綺麗なのは飾り用に、それ以外のはサンド(スポンジケーキの中に挟む)とかムースに使うから、ヘタ取りしながら選別もしてくれ」
「……分かりました」
舞には頷く以外の選択肢はないので、とりあえず頷くと、
「器具の場所とかは、上田さんが教えてあげて。俺は今から店の方見てくるから」
「かしこまりました」
上田に舞を押し付けて、友季は本当に店の方に行ってしまった。
その背中を見送ってから、
「じゃあ、鈴原さん。その苺は別に急ぎじゃないから、先に厨房とか冷蔵室の案内するわね。ついでに他のメンバーにも鈴原さんのこと紹介するから」
上田が舞に笑顔を向けた。
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