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2021年10月7日
津村記久子という神作家がいる。
「朝井リョウ・西加奈子のANN0」でのかっこいい小説のタイトルに関するトークで、津村さんのデビュー作「君は永遠にそいつらより若い」が挙げられていたのがきっかけで知った。
津村作品では、いわゆる事件のようなことは起こらない。だが、つまらなくない。つまらなくないどころかずっと面白い。カフェやバスでずっとニコニコしながら読んでる。
ユーモアセンスがいかつい。インリンオブジョイトイの切り抜きを寝室のふすまに貼っている女。
登場人物の心情にさらなる深みを与える一言。気づきの一文のすごさ。圭太を見つけるにしろ見つけられなかったにしろ、私が探したことを圭太は喜ばないだろうと思った。
ゆるさ。どうでもいいようでその作品世界をかけがえないものにする。せんべい工場は2か所に分かれており、道路のこちら側は歌舞伎揚げなどのおかき系、向こう側は昔ながらのせんべいを生産している。
津村記久子は、皆が何となくスルーしているような取るに足りない出来事を拾い上げてくれる。西加奈子が書評で言ってた。まさにそう。
現代の若者こういうの好きなんじゃないの????Twitterでなにこれ尊い・・・とか言ってる人はきっと好きになるよ????
もっと私の周りに津村記久子ファンが増えてほしい。ちょいちょい布教しているが、中々ハマってくれない。
作品の雰囲気は一貫してるけど、ジャンルは色々あるのよ?
この世にたやすい仕事はない、はちょっとファンタジーな伊坂チックな話だし、浮遊霊ブラジル、はもうがっつりファンタジーといっていいくらい。君は永遠にそいつらより若い、ユーモアありつつ本気の悩みとそれへの救いがあって嬉しくなるし、ミュージック・ブレス・ユーは青春を思いっきり感じられる。
でも今のところ一番好きなのはディス・イズ・ザ・デイで、サッカーを通じて色んな人のちょっとした悩みや成長を描いた短編集。登場人物が全員愛おしくて、サッカーを通じてちょっと前向きになれる。自分も生きるために生きよう、って思える。
映画「君は永遠にそいつらより若い」、映画化して面白くなるとはあまり期待はしてないですが、観に行きます。
これを機に爆流行りしてくれーーーーー
※うろ覚えで作中文引用しているので、間違ってたらすみません。たぶん間違ってる。
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