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「もう殺すぞ」
鳥肌が立つほど、洞窟の中は冷たく感じた。
カラカラと崩れかけた岩が細かく落下する。
狐の炎が風で揺らめき、人影をゆらゆらと揺らした。
二葉は拳銃を陽一に向け、トリガーを引いた。
指輪から銃を取り出したのだ。
「ぐあああああ」
陽一の意識が朦朧として自我を保てなくなる。
「まって、ふた…」
ドン
と引き金を引き銃弾は陽一の脇腹を貫いた。
「ああああああ」
脇腹に青い炎が燃える。
陽一は暴れ出した。
そして走り回った。
目で捉えられないほど早く。
右の岩にぶつかり、岩が崩れる。
それでも陽一は止まらない。
右に走り抜け頭をぶつける。
二葉は狙いを定める。
「まって、二葉」
「くどい。これは仕事だ」
ドン
とまた二葉を銃弾を撃ち込んだ。
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