日常と学校

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日常と学校

七月上旬。  ひまわりが萎れるほど蒸し暑い昼の正午。公立高校の終業ベルが鳴った。 「終わった」  静まり返っていた教室からは、背伸びをしたり、息を吐いてリラックスする、生徒のざわめきがあがった。  七月の期末テストが終わり皆が、歓喜していた。 「あやせっち」  女友達に呼ばれた少女は一つ瞬きをして振り返った。長い腰まである漆黒の髪が揺れる。 「これから隣のクラスの友達と、竹屋で、かき氷を食べようって話しなんだけど、あやせっちも行かない」  あやせっちと呼ばれ少女は、すまなそうな表情を浮かべ、小さな手を合わせて謝った。  名は綾瀬未来(あやせ みく)と言う。歳は十六歳。 「ごめん。理恵ちゃん。今日は、お母さん出かけるから、早く帰らないといけないんだ」  身長150センチしかない華奢な体躯が、背の高い友人、理恵を見上げた。  長いまつげに、宝石のオニキスを嵌め込んだような綺麗な黒い目が印象的で、小顔でとてもほっそりとしている。  その身長ゆえに制服を着ていなければ小学生と間違えられる事があるため、未来は酷く身長を気にしている。
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