自分の設定した未来から逃げる方法

始まり

　<おめでとうございます　あなたは5千万人の中からモニターに選ばれました>
　<モニター登録しますか？>《《Yes》 No 》
<名前を登録してください>
<年齢を選択してください>
<顔と肌の色を登録してください>
<スリーサイズを登録してください>
<職業を選択してください>
<家族構成を登録してください>
<生い立ちを登録してください>
<恋愛はしますか> 《《Yes》No 》
<人生のストーリーを選択してください
オリジナルの場合、詳細を記載してください>
<〜〜は、消去されます　設定と〜〜の時は……ことがありますのでお気をつけください>
　< 規約をお読みになり、同意されると進みます> 《《同意する》　同意しない　》

<モニター情報が正確に登録されました>
<新しい人生をお楽しみください>

　ここまで約6時間。
フィクションの人生を決めるのって楽しい♪
あ……初めてお酒を飲んだからかな。
まぁ、いいや。
極度の疲れと酔いで回らない頭。
重い指先。
カラカラの喉。
最後の方は細かすぎる入力に疲れ、あまり覚えていない。
「もう……無理……」
下へ下へと引っ張られるような感覚に抗えず、私は意識を手放した。