知っている私と知らない私

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「おはようございます」 「おはよう、佐藤さん。はい仕事」  会社に着いてすぐに、部長が渡してきたプリントの分厚さに愕然とする。きっと、今日も残業だ。  別にそれだけならまだいいのだが、私の仕事をしなければいけない量は、他の同僚に比べて明らかに多いのだ。  部長は、私にだけとんでもない量の仕事を強制する。確実に私のことを差別している。  しかし、部長に逆らったら当然一発でクビになるし、他に仕事もないので、大人しく仕事をする以外に解決法がない。  私は、今日も部長に対する嫌悪感と吐き気を心の奥底に仕舞い込み、無心で仕事モードに入る。
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