涙の代わりに花びらを

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 茉莉花がまだ幼い頃、仕事が忙しい母に代わり茉莉花の面倒をよく見てくれていたのは母の母、つまり茉莉花の祖母にあたる人物だった。 祖母はとても優しく、茉莉花のことをとても可愛がってくれていた。 茉莉花もそんな祖母のことが大好きでよく懐いていたため、小学生の頃は今ほど寂しさを感じていなかったように思える。  しかし、茉莉花が小学5年生になった秋口。 祖母は自宅で倒れ、そのまま緊急入院となった。 茉莉花は後から知ったことだが、祖母は末期ガンに侵されていたのだ。 「おばあちゃん、死なないで」 病院のベッドに横たわる祖母の隣で、茉莉花はえんえんと泣き続けた。 そんな茉莉花に祖母はすっと手を差しのべ、こう言った。
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