ネオナチ女

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 日本の黒歴史を美化する程の右翼でタカ派でおまけにヘビメタ好きでドラムをやり、空手を齧り、尚且つ第二次大戦中にナチスドイツ軍で使用されたBMWR75に似せたサイドカー付きバイクに乗るネオナチ女って男勝りと言うか獰猛で非情な男みたいですよね。となると弱い者いじめも大好きなのでホームレスは彼女にとって格好の餌食なんです。だから会社で良い子を演じている所為で溜まったストレスの発散の捌け口としてホームレスが第一に選ばれる訳です。  或る晩もバンド仲間三名と共にバイクを駆ってホームレスが住んでいる青テントがある公園にやって来ました。で、ひっそりと青テントの中で眠っているホームレスを三人して叩き起こして引きずり出し、寄って集って殴る蹴るの暴行を加えました。 「はあ、清々した。中でも弱っちい親爺をやるのは最&高だぜ!」とネトウヨ女が言えば、「この親爺、うちの上司に何処となく似てるからムチャクチャやりがいあったぜ!」とネオナチ女が言って四人は大盛り上がり。 「お前はヘタレでド底辺になって宿無しになったんだからこうなって当然なんだ。だから悪いのはお前なんだ!今日はこれくらいにしてやるから恩に着ろよ!さあ、行こうぜ!」とネオナチ女がムチャクチャな理屈を付けて言うと、二人のネトウヨ女は嬉々としてそれぞれのバイクへ向かい、もう一人のネトウヨ女はネオナチ女のサイドカーに乗り込むべくネオナチ女と矢張り嬉々としてサイドカー付きバイクへ向かいました。  残された男は四人の女が嬉々とした儘、バイクに乗る様子を地面に横たわりながら然も恨めしそうに見やっていました。
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