エピソード1 一変した日、特別な日

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 この手紙は間違えである、とそう思い込んで教室に向かおうとした。ドアを開けようと手を伸ばした時、まだ触れていないドアが開いた。 「ここにいたんだね。上山(かみやま)くん」  目の前に現れた彼女、片瀬さんはやんわり笑って僕の方に近づいてきた。彼女の匂いが僕を包み込む。 「手紙、読んだ?」  ドアを閉めながらそう言った。 「よ、読んだよ」 「じゃあ話は簡単。殺して」  くるっと振り返って見えた彼女の顔は笑顔だった。僕は口元に力が入る。 「嫌、だ」  気がつけばそう言葉を落としていた。
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