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――で。
「……っ」
理人さんの鼻息が直接そこに降りかかる度に呼吸が乱れて、まともに息継ぎができない。
惚れた弱みってぇのは、まったく厄介な野郎だぜ……ハハ、ハハハ、ハハハハハ……んぁっ!
「ちょっ!」
俺が現実逃避している間に、理人さんはちゃっかりとそこをなめていた。
ペロリと、まるで溶けかけたアイスキャンディーの雫をすくい上げるように。
「綺麗……」
んなワケないだろ。
硬い尻肉を無理やり開かれた上にマジマジと観察され、とにかく顔が熱いし、今すぐやめてほしい。
でも「佐藤くんはいつもやってるだろ」なんてド正論をぶつけられたりしたら、それこそ俺が掘る穴は墓穴以外になくなってしまう。
こうなったらもう、理人さんが満足するまで心を無にしてやり過ごすしかない――と決意し、心の中で座禅を組んでいたら、立膝の間から理人さんがニョキっと顔を出し、実にいやらしい笑みを披露した。
……どうしよう。
嫌な予感しかしない。
「指、入れてみてもいい?」
「は? あ、ちょっ……」
「大丈夫。俺、そっち側の経験は豊富だからさ。二度と俺に突っ込む気になれないくらい、気持ちよくしてやるよ」
「って、まさかそれが狙い!?」
「前に言っただろ。俺も、こっち側してみたいって」
「だ、だからってこんなやり方……ッ」
「ん、どうした?」
「だっ……」
「だ?」
ダメだ、これ。
これはダメなやつ。
だって、理人さんの細い指先が、俺のなかにつぷりと入って――
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