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ーーー
扉を開いた先にはまた階段があった
階段は螺旋を描き、かれこれ数分は降り続けているが一向に下に辿り着かない
一体どこまで深く造られてあるのか…
それから更に数分降り続け
漸く、螺旋階段に終わりが見えた
「終着か」
階段の終わりに待ち受けていたのは、また扉だった
その扉を見た途端恐ろしく嫌な予感がした
「まあそういうことだろうな」
わざわざ二重に入り口を設けるということは
足を踏み入れたが最後、屋敷にはもう戻れないということだろう
まあここまで来て引き返すのは、費用対効果が悪すぎる
開く一択だ
2秒ほど迷ったが、私は重い扉を押し開けた
足を踏み入れた瞬間…
景色は変わったーー
「……く…クク…来た甲斐があったようだ」
広がっていたのは、学校の体育館よりも広い、明るい空間だった
「一体どれだけの財があれば、こんなところを造れるんだ」
ちらほらと巨大な建物も建っている
少しだけ歩を進め、辺りを散策してみると
扉を出て数メートル歩いた地点にだだっ広い空間があり、その広い空間の左右に10階建のマンションほどの建物が建っている
そして前と後ろ両方に扉が見える
扉の位置はどちらもここから40メートルほどは離れている
ざっと見て、縦は80メートル、横は建物でよく測れないが40メートル程の距離だった
長方形の形をしたその空間の天井は20メートル程であり、天井を2本の大きなダクトが走っている
色々見て回りたいが、何が出てくるか分からない
建物に入るのはまだやめておいた方がいいか…
先に別の空間を見て回った方がいいかも知れない…
前が後ろかーーーどちらにすべきかーー
「珍しいねえ。客人??」
「!!!」
悪寒が全身を駆け巡り、慌てて私は飛び退いた
背後から突然響いた声に、鼓動が一瞬にして速くなる
「ハハっ、ビビりすぎでしょ。こんなところに来るくせに」
「…いきなり来てすまないね。ここの住人かな?」
「そうだよ。俺の名前は【結(ムスビ)】
よろしくね。あんたは?」
「はじめまして、私は天羽という。よろしく」
出来るだけ友好的に、朗らかに
最大限の警戒をしながら
私は彼、ムスビと挨拶を交わした
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