忘れられない誕生日

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忘れられない誕生日

その後もずっとLINEは続いていた。 誕生日に備えて美容院に行ったり脱毛に行ったりしていた。 新しい服も買いに行った。 少しでも可愛いと思われたい。 「風邪うつしてるかもだからアスカも体調気をつけておいてね。  ごめんなさい。」 優しいな。 「私は大丈夫だから。きつかったら言ってください。なんでもさせてください。」 「ありがとうございます、心強いです。」 「もっと甘えてほしいですけど、、、、心配だけさせていただきます。  お大事にしてください。」 「最近急に優しいよね笑  ハゲたから?病人だから?」 「失礼な笑  私常に優しいじゃないですか。ハゲが広がったら取り返しがつかなくなりますからね」 「それは困る!いつも優しいですねすみません。ちゃんと寝たらだいぶ楽になったよ。軽くてよかった」 「反応可愛いですね笑 ハゲてても可愛いですよ笑  本当ですか?雨降って寒くなると思うのでこの後もお気をつけ下さい。とりあえずよかったです😀」 「おじさんは可愛いの反応にも困るんよ😁  意味はないんだろうけど  他に誕生日のリクエストない?なかったら僕コ一デになるけど」 「意味はないけど、、、癒されてます笑  あとこんな幼いおじさんいないです笑  僕コ一デ見たい!!  海鮮じゃなければなんでも好きです!  一緒にいてくれるだけですごく嬉しいです!  あ、ちゃんと私も有休取れました!」 「当日じゃなくても大丈夫だったよ。大事な日だからお友達なり本命となり過ごしてもいいんだよ。  海鮮嫌いは助かります。肉寿司かステーキ的なのかフレンチあたりかなと。ドレスコ一ド抵抗あるならちょっと考えるけど。」 「そんな切ないこと言わないでください。泣いちゃいますよ。  肉寿司にドレスコ一ドあったことに驚きました。  私ごときにそんなかしこまったお店じゃなくて大丈夫ですよ。」 「かしこまってなかったらいつもの通りじゃん笑」 「まあそうなんですけど笑」 「うん、煮詰まった笑」 「真面目か笑 選択肢あれば選びますよ」 「おけ。ちょっと待ちね。  都内でいつもよりちょっと毛の生えた店でディナーか。  千葉静岡辺りのホテルで飯食ってそこで泊まって遊んで帰るか、、、  まだ選択肢ある?」 「選択肢ありがとうございます。十分です!  翔さんが良いなら遠出したいです!」 「よかったです。遠く行こうね。  何げにこれ前日だね苦笑  頑張ります!」 「大丈夫ですか?  私にできることあったら言ってくださいね。  あと、一緒にいてもらえるだけですごく嬉しいんで、、、  あとご体調大丈夫ですか?」 「大丈夫!もろもろ予約した!ちょっとアレだけど笑  当日言い訳する!車で14時以降かりて向かっていい?  自分でPL処方しといたからもうすぐ完治する。すみません。」 「大丈夫なの?無理しなくても大丈夫ですよ。  もっと我儘言ってくださいよ。  我儘?違うか  頑張りすぎだよ」 「症状はほとんどないの。咳出るから嫌がられるかなと思って飲んでるだけ。  明日車だしね。  てかね、逆ですよ。我儘言っていいのはアスカでしょうよ!  僕はただのドライブだけどアスカの誕生日なんだからね笑」 「嫌な訳ないじゃないですか。心配なの。  病人だし忙しいでしょうに我儘で済まないですよ。  ばか!  あ、時間大丈夫です。」 「でも主治医が大丈夫って言ってるから大丈夫なんだよ。  どこお迎えにあがりましょうか?  車だからどこでもご指定ください。  駅前とかじゃなければありがたいです。」 「誰が診てるのよ笑  え、、、、、本当ですか、、、もじもじ  う一ん、すごく欲を言ったら駅と私の家の間だったらすごく嬉しいけど、行けるところまで行きますよ!」 「あ、日が変わった!お誕生日おめでとうございます!  雨だし自宅でも大丈夫だよ。どうせ方向そっちだし」 「ありがとうございます。え、本当ですか💡  そしたら自宅で笑」 「はい、車種わかったらまた送るね」 「はい、なんか車の中で食べたり飲んだりするもの用意しておきますけど、リクエストありますか?」 「大丈夫よ、途中で買おう!」 ドキドキ。 何回も化粧直しをする。 鏡をチェックする。 忘れ物してないかな? 着替えなど何回も荷物をチェックする。 緊張する。 車の中で何話そう。 ディナーとホテル以外ってこれが初めてだな。 しかもシラフ、、、、 少し心配だ。 どうか良い誕生日になりますように。 心の中で思わず祈る。 「つきました。」 翔からLINEが入る。 心が躍る。 バタバタと家を出る。 振り返って戸締りができているかチェックする。 翔がくるまで落ち着かなかったので何回もチェックしたから完璧だ。 バタバタとマンションの下に降りる。 翔らしき人で車に乗っている。 割と普通の車だな。 外車とか乗ってきたらビビッちゃうからよかったかも。 案外普通だ。 助手席のドアをコンコンと叩く。 中で翔が気付き、お辞儀をしている。 私も頭を下げて中に入る。 「お誕生日おめでとうございます。」 翔が明るい声で第一声で言って下さった。 「ありがとうございます、荷物後ろ置いていいですか?」 「あ、どうぞどうぞ」 荷物を後部座席に置く。 「この車この近くでカ一シェアで借りたんだよね。」 「そうなんですか。それ教えて下さったらそこまで行ったのに。」 「いや大丈夫ですよ、しかも誕生日なんだから主人公はアスカだから。」 車持ってないのか。まあ都内で中心部住んでるからまあそうだな。 車はUタ一ンをしている。 やっぱり通り道じゃないんだ。 私のためにわざわざ家まで来てくれたんだな。 何話そう。緊張する。 いつも行っているマルエツが見えた。 「あ、ここのマルエツのあのエスカレーターで前に上から私転げ落ちたことあるんですよ。」 間が持たなくてどうでもいいことを話してしまう。 「えっ大丈夫!?なんで!」 「なんか夏で貧血だったのかフラッとして目の前が真っ暗になって。  落ちたら何人も店員さんが駆け寄ってきてすごく恥ずかしったんですよね。  足が血だらけになっちゃって。その後仕事行っても生徒達からドン引きされたんですよね。」 「それはやばいじゃん。大丈夫だったの?」 「頭とか打ってないし大丈夫ですよ。  それ姉に少しLINEで言ったら姉が言ったのか、お母さんとかお父さんとかおばあちゃんおじいちゃんからも連絡きて  意識失ってエスカレーターから落ちたんでしょって連絡きて恥ずかしかったんですよね。」 「はは、愛されてるね。」 「いやいや、全然。」 「てかもしかしたら遅れるかギリギリなりそうだね。ナビさっき設定したんだけど。」 「結局どこいくことになってるんですか?」 「熱海のホテル予約したんだ。以外に夕飯の時間早いみたいで。  一応電話しといてギリギリなりそうって言っておいたんだけど。」 「そうだったんですね。ありがとうございます。あんなに時間なかったのによく探せましたね。」 「そうそう、ギリギリでまだ空いてたんだよね。  よかった。」 「お忙しいのにありがとうございます。」 「いやいや、むしろ僕探してて、アスカのこと全然知らないなって反省したんだよね。  僕ばっか今まで喋ってたんだなって。」 「あ一、うん。私あんまり自分のこと話さないんですよね。ごめんなさい。」 「そうだね、話さないね。」 「聞いていただけたらなんでも答えますよ。」 「本当?昔の恋愛とか聞きたい。それ聞いたら色々どう付き合っていけば良いかわかるじゃん。」 「なるほど!そしたらなんでも答えるよ!私も聞きたい。」 どっちも目の前を向いたりたまに横を向いたりして目線が気になった。 翔は当然運転をしてるから前を大体は向いてるが、たまにこっちを見たりしてドキドキしたし、緊張した。 今まで大体酔ってて深く考えてなかったし、大体はイチャイチャしていた。 今はシラフだし距離感に迷った。 信号が赤で止まった時に私が右手を翔の左手に伸ばした。 手を握ったら握り返してくれた。 しかし信号が青になると手を離された。 しょうがないけど、少し気不味かった。 やっぱり慣れないな。 「兄弟はお姉さんだけ?」 翔が聞いてくる。 「はい、姉が1人。2つ上です。」 私のことを色々聞いてくれて私も素直に答える。 できるだけ肯定的に。 「アスカは愛されて育ってきた感じがするね。」 そんなこともないんだけどね。とりあえず落ち着いてるけど。 「翔さんはご家族は?」 「親父は俺が学生の頃にもう亡くなってて、地元で母が今1人暮らししてんだよね。  マンションだけど中庭あって。色々植物植えてて何か育ったら送ってくれたりしてる笑  そのマンションも大分中心部にあって都会なんだけどね。  だから僕不便な田舎住めないと思う。」 高速に乗っている間もお互いのことを聞き合った。 ほとんど沈黙はない。 大体はおしゃべり好きな翔が喋ってくれるけど、翔のことをもっと聞きたかったから嬉しかった。 途中SAに寄ってもらった。 少し気まずいな。 私は女子トイレに行った。 翔はトイレに寄りつつ、タバコを吸っている。 どこで待ち合わせよう。 特になにも決めず車を降りたから少し困った。 トイレの鏡で再度自分の顔をチェックする。 とりあえず大丈夫。 売店に入ろうとしたら翔も来てくれた。 こういう時何買うんだろう。 翔はブラックコ一ヒ一を買っていた。 食べ物は買っていない。 食が細いんだな、 私が加糖のもの買ったらなんか思われそうだしシェアできたら良いかと思って 私も違う種類のブラックコ一ヒ一を購入した。 普段は買っても無糖のカフェラテなんだけど。 まあいいか。 そういうのは合わせよう。 そして車に戻る。 翔のことをいっぱい聞いた。 地元に幼馴染が1人いて大親友で今でも毎日連絡をとっていること。 その人も見た目が翔と似ていてよく兄弟に間違われること。 今その人も向こうに彼女がいて、一度その人に翔も会ったことがあるが、 良い女ぶっていること、その人の相談を毎日翔が受けていることなど話していた。 「良い女ぶってんだよね。大したことないのに。  まあ惚れた方の負けなんだよ。」 「そんな女性いる?良い女だからそういう振る舞いしてるんじゃないかな。  私の周りでそんな勘違い系の人いないけど。」 「まあ男と女で考え違うから。」 「前の彼氏とは長かったの?」 「はい、3年?かな?同棲してました」 「僕も今まで2回同棲したことあるかな?」 「え、一回目は?」 「それは大学生の頃。はじめは上京してきた段階でその幼馴染とどっちも金なかったから横浜で  一緒に住んでて、そのうちどっちも彼女できたからそれぞれ彼女と同棲することになったんだよね。」 「二回目は?」 「それは医者になってから。8つ年上の同じ診療科の先輩。  数年同棲してたね。結婚考えてた。」 「そうだったんだ。前もその人話しに出てましたね。」 「うん、その人くらいだったからね。本気で結婚考えたの。  本気で結婚すると思ってたから僕、お給料も全部口座合わせてたしお金の管理してもらってたもん。  お小遣い制にしてもらってた。」 昔のことだけど内心少し妬いていた。 そんな人いたんだ。 結構前なんだろうけど。 外は暗くなってきている。 「あ、時間ギリギリそうだね。」 どんなところなんだろう。 めちゃめちゃ高級旅館とか連れてかれたら萎縮しちゃうな。 高速は海岸線沿いを通った。 夕焼けが見える。 「、、、、綺麗!」 私は思わず外の光景に目を奪われる。 「綺麗だよね。」 翔もいう。 静かな空間。 「久しぶりに海見ました。」 「仕事忘れてこんな風景見られるとか嬉しいよね。」 「、、、、、」 私は風景に見とれて少し黙っただけだが、すかさず翔が気にして、 「どうした?疲れた?」 と声をかけてくる。 「ううん、綺麗だなって思って」 「そうだね。」 山の上を車は走る。 完全に陽が落ちて外は真っ暗になる。 街灯も減って暗い道が続く。 「暗いね、道ここで良いのかな。」 ナビが少しわかりづらく、翔が顔を顰めて道を確かめる。 私もキョロキョロしてホテルらしいものがないか探す。 山の中は別荘がたくさんあった。 こんな暗いところにホテルなんかあるのかな? 迷いながら進む。 翔がホテルに電話をかけていた。 「あ、ここですか。わかりました。看板見えました。」 そして小道を入っていく。ホテルの人が1人案内に出てきてくださり、車を誘導してくれた。 暗くて気づかなかったが、隠れペンションのような洋風のおしゃれなホテルがあった。 「可愛い!」 思わず声を上げた。 車を降りるとホテルのスタッフさんが 3人ほどかけよってくださり、ご挨拶と荷物を預かって下さった。 「お食事はすべてお部屋にお届けします。  すぐ準備しますのでお部屋でお待ちください。」 「え!?部屋食なの!?すごい!!」 感動して少し大きい声をあげる。 「ね、ありがたいよね。」 翔がいう。 部屋に入ると広い部屋で、洋風で可愛い造りであり、部屋風呂もついていた。 「すごいすごい!私温泉好きなの!」 「落ち着くでしょ?」 「はい!」 私が部屋をうろうろする。 部屋にはお菓子も用意してあった。静岡だからみかんも置いてあった。さすが! 子供みたいにはしゃいでしまう。 翔は落ち着いていた。 「あ、職場から着信入ってる。ちょっと電話してくるね。」 と部屋の外に出る。私は荷物を片付ける。 ドキドキする。この後一晩過ごせるんだ。 明日も一日一緒に入れるんだよね。 てか男の人と旅行なんて何年ぶりだろう。 前の彼氏以来かも。 ドキドキ。 翔が電話を終えて戻ってくる。 少し気まずい。 イチャイチャしたとしてもすぐに料理が運ばれてくるし微妙な時間。 テレビを私がつける。 ニュ一スがやっている。 少し助かった。 ニュ一スに少しお互いつっこんでいたら、スタッフさんがワインを届けて下さった。 おしゃれ。 きちんとテ一ブルを整えてくださり、食事を取れるようにしてくださった。 緊張して思わず背筋が伸びる。 食べ方見られてるかもしれないから気をつけないと。 がっつかないように。 しっかり神経を尖らせて。 濃厚な赤ワインで乾杯する。 海鮮もありステ一キもあり、フルコ一スだった。 一体いくら使ったの? 私たち付き合ってないんだよ。 私かなり無茶振りしたのかな。 軽く言ったことがここまでしてもらうなんて、、、 これからよく考えて言動しないと。 なんて思っていた。 すごく緊張したし、翔の食べ方もチラチラ見つつ、 食べ方に気を遣っていた。 緊張してあまり食べられなかった。 「ごめんね、色々ホテル探してたんだけど、海沿いの街だから熱海自体のホテルがどこも  大体海鮮は料理に含まれているところばっかで、、、  でここは肉もメインで着いてたから」 「何も問題ないよ!美味しいし。最高です。」 私が笑顔で答える。 料理が終わり、スタッフさんが後片付けをさっとしてくださる。 外は雨が降っている。 窓の外を眺めると、外は真っ暗だ。 山にあるので木が生い茂っている。 部屋風呂入って外から見えないか真っ暗だからよくわからないけど、まあ大丈夫だろう。 そのくらい考えて建設されてるよな。 なんて考えたりしていた。 翔がベッドに飛び込んでいた。 「あ一疲れた!」 「運転ご苦労さまです。今日午前中仕事してた?」 「うん、てか夜勤明け」 「え!?まじ!?寝てないの!?」 「あ、いつもそんな感じよ!逆にハイになって寝ないことばっかよ。」 「でもこんな長距離運転して、、、疲れるでしょ。言ってくださったら私免許あるから運転したのに!」 「あ、じゃあ明日途中変わってもらおうかな少しだけ。でも僕運転好きだからさ。」 「もう、これからちゃんと先に言ってくださいよ。」 「はいはい」 そう言って翔はキスをしてくる。 濃厚なキスをしてベッドに押し倒される。 私は戸惑うことなく受け入れた。 「、、、、すごく濡れてるね。今まで全然濡れなかったからこの子濡れない子なんだと思ってた。」 「今まで緊張してたんですよ。」 「へ一、グッショグショ笑」 「やめてください笑」 2人で絡み合う。 今日も翔は私の服を剥いで全身舌で攻めてくる。 指も使っていた。 気持ちがいい。 私されてばっかりだけど何か要求されるわけじゃないし、どうしよう。 てか翔さん細いな。 私太くて恥ずかしい。 あんまりお腹見えないようにしたい。 うまく毛布を使って隠そうとはした。 「こんなことするなんて始めは思わなかったよね。」 翔はいう。 「本当に。」 「最初あんま安居酒屋だよ?  抱くと思わなかったな。」 2人でことが終わってピロ一ト一クをしている。 私はさっき抱かれた記憶が蘇った。 暗がりだったがテレビがついていて少し明かりがあった。 上に翔が覆いかぶさっていた時、少しシャツがズボンから脱げて下っ腹が見えた。 細いけど下っ腹が少し出て揺れているのが見えた。 そのくらい緩いところがあった方が逆に安心した。 もう歳だろうし忙しいだろうから鍛える暇もないだろうしな。 完璧主義で繊細だから鍛えてない緩んだ体を見せたくないのかな? それか付き合ってもない人を抱かない主義とかあるのかな? 聞けないな、、、 翔さんが繊細なのがわかるから、発言は気をつけないと。 そもそも体目的ではない。 そこを追求する必要はない。 私は何回か逝ったので気づいたら少し寝ており、3時間程経っていた。 横で翔が寝ていた。 私がハッと起きると、翔も眠りが浅かったのか起きた。 「あ、ごめんなさい私寝てしまって!」 「かわいかったよ笑」 「あ、、、、シャワ一あびますね。」 「洗ってあげようか?笑」 「恥ずかしい!!ぜったい見ないでくださいよ!」 「ハイハイ、大丈夫だから早く入ってきなさい」 私はささっとシャワ一を浴びに行った。 翔は紳士で決して覗いたりそもそもシャワ一室に近づく素振りも見せなかった。 シャワ一を浴びると翔は寝ていた。 私も横で寝た。 そして朝になった。 翔は起き出してシャワ一を浴びに行った。 私はボ一っとしてテレビをつけてニュ一スを観ていた。 私も覗いたり入っていくような真似はしなかった。 親しき仲にも礼儀あり 自分がされて嫌なことはしないでおこう 翔がすぐにあがってきた。 いつもはワックスで髪をかき上げているのに、前髪もあり髪が下がっていた。 少年みたいでかわいかった。 「ハイ、みかん。ビタミンC取りましょう。」 「僕果物とか普段全然食べないけど。わかった」 2人で食べる。 「あ、美味しいね。さすが静岡」 翔が呟く。 私は翔が用意してくれたホテルを堪能しようと、露天風呂の方に出る。 雨はほぼ降ってなかった。 翔も出てくる。 私は足だけ入れる。 翔も浴衣を膝まで上げて湯につけていた。 足ほっそい!! 私ふくらはぎも太くて恥ずかしい。 そんなことを思っていた。 露天風呂から森の方を見ると、山の麓に住宅地があること、遠くに海が見えた。 「鳥が鳴いてる。良い環境ですね。空気も綺麗。」 「ね一、東京じゃ味わえないね」 「連れてきてくれてありがとうございます。  翔さんがなかったら私誕生日がくるのすごく嫌でした」 「それならよかったです。今日さ、東京に帰りつつどっか寄ってくか」 「わ一い、楽しみ!あ、私温泉好きなんですよ、露天風呂コレ入りたいから見ないでくださいね笑」 「ハイハイ、ぜひ入ってください。」 そして私は露天風呂を堪能した。 朝食はなかった。 「俺、元々朝ご飯食べないんだよね。」 「まあみかん食べたし、早めにランチしましょうか。」 車に乗り込む。 スタッフさん数名が外に出てきてくださり、きちんと頭を下げて見送っていただいた。 アットホームで良いホテルだったな。 車を出していると、 「静岡って海鮮ばっかだから、、、肉だとしたらささらやっていうハンバーグ屋あるから  そこでランチしようか」 「ハンバーグ大好き!やった!雨降りそうだから途中で傘買いましょう!」 「じゃあコンビニあったら寄ろうか!飲み物も買いたいし」 「てか途中運転変わってくださいよ。私も久しぶりに運転したいし」 「はいはい、高速以外で運転しやすいところあったらね。」 そして車を出す。 雨は小雨だった。 「生徒からこんなエロい保健室の先生いたらなんか今までなかったの?」 「あ一、前の学校だったら、急に休み時間に誰もいない時にキスしていった子1人いましたね。」 「え!?まじ!?そんなことあったの!?」 「うん」 「生徒とヤッたことある?」 「、、、、ぶっちゃけ前の学校で高3の男の子でいますね。」 「うわ一、さすがです。アスカから行ったの?」 「まさか、私からいくわけないじゃないですか。生徒がグイグイきたんですよ。」 「好きだった?」 「まさか。そんなことないですよ。」 「うわぁ、男の子の心を弄んだんだな。」 「昔はね。そういうこととか色々そういう目で見られることとか色々あって、このスタンスで働いて  いたら仕事続かないなって気づいて今の学校からはキャラ変してますよ。」 「僕も実は昔高校の時に英語の先生とヤッたことあるんだよね」 「まじ!?なんで!?どこで!?」 「先生の家で。ご結婚されてたんだけど。」 「え!?なんで行ったの!?やばいね。」 「うん。なんか俺結構学校サボって別の場所で勉強してたりしてて、そしたら指導ってことでその先生に  呼ばれて、なぜか家連れてかれて服脱がされたんだよね。  色々それまでは俺が攻めるセックスしてたけど、初めて尽くされるセックスしたかも。  でも怖かったかな。てか彼女がその時いたから、彼女に申し訳なかった。」 「そんなこと本当にあるんだね、それ他の人に言ったの?」 「いや、言ってないね。」 車を運転していると綺麗な小山が見えた。 公園のようになっている。 車が数台止まっていた。 「てかよく考えたら、いくら熱海でも今平日だし雨降ってるから観光客も少ないか。  一応行ってみる?」 「ハイ」 駐車場に駐めると急に雨が激しさを増した。 「、、、やばいね、さすがにやめるか」 「そんなこともありますよ、ご飯食べに行きましょう」 「そうだね、ブランチとしますか!」 とすぐに車を出す。 「芸能人誰が好き?」 「私は正直あんまり顔は気にしてなくて。  人のこと言える顔でもないし、自分が自分の顔で悩んでるから、女性の顔は参考になるから気になるけど  男性の顔はあんまり興味ないです。  絶対生理的に無理な顔があるとするなら、ブラマヨの吉田と松坂桃李かな。」 「え!?なんで!?松坂桃李とかイケメンじゃん」 「吉田は肌ボコボコだから、ちょっとあそこまでだと不潔に感じちゃうかな」 「まあアスカが美肌だからね」 「いやいや、松坂桃李はあの口元緩んでるのが締まりがなくてなんか勘に触るんですよね。」 「え一、全然わかんない。それ言ったら俺なんとなく波留の顔だめだ。」 「え!?なんで!?美人だし特徴ないじゃん」 「だからそれも明確な理由ないのよ。」 「そんなもんか。」 「他好きな男性芸能人いないの?」 「顔がとかじゃないですけど、性格とか雰囲気含めて好きなのは大沢たかおとか山田孝之かな」 「あ一、良いね」 「でしょ!大沢たかおは天然で可愛いかな。あと2人とも演技がうまいから。翔さんは?」 「中村アンめっちゃ顔がタイプ!あと綾瀬はるかだね。なんでもできる。まじで良い女。  それでおっとりしてるからね。だから外科でバリバリ働いてても、いつか中村アンとか綾瀬はるか  が運ばれてきてくれる日がくると思って毎日頑張ってます笑」 「何それ!面白くない!」 と私がつっこむ。そんなこんなでささら屋に到着した。 2人で車を降りる。 ハンバ一グはとても美味しかった。 ご飯まで翔に奢ってもらった。 至れり尽くせりだな。 しっかりお礼を言った。 「私が次運転しますよ」 「まあ、じゃあ高速乗るまでね。」 「ヤッタ!久しぶりだ」 私がハンドルを握る。 「あれ、何するんだっけ。」 「、、、、はあ、サイドブレ一キ」 翔が心配そうな声でいう。 私の運転はかなり荒かった。赤信号に止まった。 私は翔にキスをした。 翔ものってくれた。 その後車が止まる度にキスをした。 途中翔が、「一応言っておくけど、僕あ付き合ってないからね笑」 「あ、そうだった。、、、、でもしたいもん笑」 私はいう。 翔も微笑んでしてくれた。 楽しかった。 「あ、次車線変更した方がいい」 私はハンドルを思いきり切る。 「、、、、!びっくりした」 翔がビビっている。 「あ、次コンビニ入ろうか」 コンビニに入る。 駐車がしっかりできず、かなりズレてしまう。 「、、、まあ田舎だし他に車いないから良いでよ笑」 私が笑う。 「下手くそ!」 「いやいや、久しぶりだからだよ。」 「しばらく運転してたじゃん。ずっと下手くそだったよ」 割とはっきりいうこともあるんだ。 まあそれだけ運転下手だったってことか。 呆れられたかな? 2人でコンビニに入る。 お茶を買う。 レジに2人で向かう。 レジ前で翔が、足を止める。 「、、、、、あ、ミンティア」 そしてレジ前のミンティアをとって会計をする。 翔が会計をしてくれる。 「私全部出してもらってるから何か出しますよ。」 「今日は誕生日だからだよ。大丈夫」 翔が優しく言ってくれた。 「あ、運転僕するから笑」 「え一、したかったのに」 「他の車に迷惑だから笑」 翔が車を出す。 「まだ時間あるし、御殿場のアウトレットでも寄って帰るか」 「ヤッタ!てか雨強いね。あ、傘」 2人でハッと顔を見合わせる。 「コンビニ寄ったのに買うの忘れてた。」 「ミンティアじゃねえよだね笑」 「大事なもの忘れてた」 「ミンティアは気づいたのに傘忘れるっていうね」 「2人ともばか笑」 「医者が仕事以外何もできないと思ってるでしょ笑」 「いやいや、でもこれは2人ともばかだったね笑  御殿場にコンビニくらいあるか。  もういいよ、2人で濡れよう笑」 笑いながら御殿場に向かう。 雨は弱まることもない。 御殿場に到着した。 車に降りてすぐ翔が、 「あ一、一服させて」 といい、降りてすぐその場でタバコを吸い出した。 「あ、副流煙飛んでるから近づかない方がいいよ。」 「気にしないよ。」 私はあからさまに離れることをしなかった。 アウトレットにきたけど別に欲しいものがあるとかでもないんだけどな。 てか久しぶり。 他の来場者はみんな傘を持っていた。 2人で雨に濡れながら歩いた。 「あ、コンビニあったよ。」 「寄ろうか」 手を繋いで歩く。 コンビニを見回したが傘がなかった。 私が店員さんに聞いて確認したが、傘の取り扱いがないとのこと。 「今日ことごとく外すね笑」 翔がいう。 「もういいじゃん、ばかは風邪ひかないから濡れて歩こう!土砂降りでもないし」 私が明るくいう。 お店を回る。 翔は大体のブランドについて語っている。 物を知らない私は知らないことが多かったので、アウトレットにある店でも知らない店がいくつもあり、ポカンとしてしまった。 途中うんうん頷いていたが、途中で正直に翔に言った。 「私知らないブランドあります。」 「いや、年代にもよると思うし別に僕も知らない物あるよ。」 とフォロ一してくれた。 ケイトスペード、バ一バリ一に入った。 「あ、可愛い服ある。  アメリカに住んでる姪っ子、甥っ子ちゃん達に何かプレゼント送ろうかなまた。  前はこの洋服全員に送ったんだよね。4人兄弟なんだけど。」 と楽しげに話す。 良い物着てるんだなぁ。 一体いくらすんのよ。 心の中でやはり金銭感覚、生活感の違いを感じる。 その後コ一チに入る。 「いっときのデザイン気に入らなかったけど、最近物によってまた好きになってきたんだよね。暗めのデザインとか」 と鞄を眺めている。 詳しいな。 手を繋いで色々みる。 「大丈夫?疲れてない?」 「私歩き慣れてるからあんまり疲れないよ?」 「まあ雨にも濡れたしな。カフェあるし入ろっか。」 そしてカフェに入る。 翔は一番シンプルなブラックコ一ヒ一。私はカフェラテを注文した。 翔が、 「僕持ってくるから先座ってな」 と言ってくれる。 女性の扱い本当に慣れてるな。 と感心して先に席に着く。 周りはほとんど女性のお客さんで溢れている。 翔がドリンクを持って席につく。 私は先に席についていたので、壁側のソファ席を翔に残していた。 「あ、ソファ座っていいよ。」 「いえいえ、大丈夫です。」 と私が譲る。 席に座る。 雑談をしている。 さっき見ていた服屋の話しになる。 「ナノユニバ一スとか普通で安心して着れます。」 「あ、普通って。僕今着ているニットそれかも。ダサくてすみません。」 翔が呟く。すかさず私がフォロ一を込めて、 「違う違う、普通で良いの。特徴がなくて。  私目立ちたくないもん。おしゃれしても誰も見てないし」 「見てる見てる笑」 翔が笑う。穏やかで優しい。好きだな。 思わず、 「、、、ねえ、キスして」 と私がいう。 「え!?だめ!」 と翔がすぐさま答える。 びっくりしている。 困ってる顔が可愛い。 私は笑って、 「してよ笑」 という。 「ここカフェだよ。」 「私の視界には翔さんしか見えないもん。」 「あ一、僕はお店全体見えるんだよね。多分今隣のテ一ブルにいる女の子達、  さっきから僕らがいちゃついてるの見てるよ。絶対イライラしてるよ。」 と困りながら話す。 いつも余裕そうなのに困ったりするんだ。愛おしいな。 するわけないじゃん。 2人でカフェをでる。 手を繋ぐ。 相変わらず私達だけ雨に濡れている。 もう慣れちゃった。 それも含めて楽しかったりする。 ぶらぶらしているのが楽しい。 しばらく歩いていたので、少し沈黙ができた。 翔は沈黙に焦ったのか、少し下を向いて考えてから、私の方を向きながら、 「ルスデンデス」 と言葉に合わせて手をギュッと握りながら言ってきた。 、、、、ギャグのつもり!? 私は爆笑した。 「渾身のギャグのつもりですか!?」 と言ってしばらく腹から笑ってた。 「なんか笑いのツボ浅くない?」 照れながら翔が呟く。 そのまま笑いながら車まで戻った。 帰り、高速に乗りながらできるだけ手を繋いでいた。 運転にあまり差し支えない時に高速ではあったが私がキスをせがんだ。 翔はちゃんとそれに答えてキスをしてくれた。 車に乗ってる間キスを沢山した。 その内日が落ちて夜になっていた。 高速が混んでいたので20時を回ってしまった。 「明日仕事?」 「ハイ、平日だし。翔さんは?」 「僕も。じゃあ遅くまでいけないね。夕飯食べ損ねたね。」 車を駐めて入れる都合の良いお店がなかった。 「カ一シェアでしょ?その返すところまでそのまま行きましょうよ。」 「そう?じゃあ降りて家まで歩いて送らせてください。」 車を返す。 返す時、周りに人がいなかったのでまた熱いキスを交わした。 そして手を繋いで帰路に着く。 「すっごく楽しかった。これて本当によかったです。」 「それを聞けて本当によかったです。」 2人で笑いながら家まで行く。 マンションの下まで行く。 私は家にあげようか迷った。 しかし家に呼べるほど掃除などもしていない。 家具も安いボロボロの物もあるのでそもそも見られたくない。 迷いながらマンション前で向き直る。 微妙な空気が流れた。 私が振り返って思わず翔を抱きしめた。 ギュッと、、、 翔も抱きしめ返してくれた。 私が翔の耳元で 「大好き」 と言った。 翔が、 「そんなこと言われたら、、、」 という。 少し間をおいて翔が、 「ほら、子供きたよ」 といい、私がビクッとなって翔から離れた。 「今日本当にありがとうございます。お気をつけてお帰りください」 「僕も本当に楽しかったです。  明日も仕事頑張ってね。」 と言って別れた。 ドキドキする。 自分の家に行き、すぐに翔にLINEを送る。 心のどこかでもう少し一緒にいたかったけど、家には上げられるほど準備ができていないこと、 翔がほとんど夜勤明けで運転もしてくれた上に明日仕事なので無理はさせたくないという気持ちから まあこれでよかったのかと思ったりもした。 「翔さん、昨日今日本当にありがとうございました!すごく幸せな誕生日でした。    一生忘れないです」 「お疲れ様でした😁  後半からどうした笑 でもすごく楽しかったからこちらこそありがとうね。  またどこか行こうね」 「え、もうばか。も一う」 「めっちゃキスしたね笑」 「うん、、、、ごめんなさい笑  我慢できないもん」 「いや僕は勝手に相性いいと思ってるから嬉しいんだけど笑」 「嬉しい笑 私も」 「疲れてない?大丈夫?寝坊しないでね。」 「私は大丈夫だから翔さんがゆっくり休んでください★  本当に感謝してます。  お時間もしあった時で良いのでいつでもLINEしてください!」 「照れ臭いし大したことしてないからお礼はもういいです笑  次が最寄りなんだけど向かいのおじさんがニッコニコして僕を見てるんだけどあんた誰よ状態」 「何言ってんの笑  タイプなんじゃない?笑  つけられないようにね」 「目合わせたら逸らすんだけど笑」 「マジなやつ笑  モテますね一」 「お持ち帰りしますわ!」 「え、攻めるの!?」 「大負けやないか笑」 「じゃあ受けるのか」 「受けるわけなかろ一が  充電したからしばらくいらん」 「充電切れそうになったらまた教えてください!」 そこから返信が来なくなった。 ドキドキする。 もう夢中だな 大好きだ
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