17人が本棚に入れています
本棚に追加
2人の関係性
翔と一悶着あった後、1週間後にまた翔からLINEがあった。
「お疲れ様です。体調はお変わりないですか?
近々、会えませんか?飲まんでいいから話したいことありまして」
胸が高鳴る。もしかして告白とかだったりするのかな。
そんなにトントン拍子にうまくいかないか。
「お久しぶりです✨
なんでそんなに畏まってるの?笑
もちろん是非!」
「夜分にすみません
畏まってるかな笑?コロナハイかもね。
いつ平気ですか?月火は当直なのでそれ以外なら平気です。すいません。」
「話変わるけどご実家の方、台風被害大きいみたいだね。大丈夫?」
私がフワッと実家どこかって話した気がするけど、ちゃんと覚えててくれたんだ。
実は木曜からクリスマスイブだ。
さすがにあっちがどういう生活送ってるかわからないし、私もモテない非リア充なことバレたくないからその前に会うか。
ワンチャン上手くいって、クリスマス会えるかもしれないし。
「おはようございます☀
疲れてるんですね💦
テンションの変動が、、、
うーん、そしたら水曜の夜は空いてますか?
あの地方は毎年恒例なので大丈夫ですよ笑
みんな慣れてるんでなんとか対処してると思います。
ご心配いただきありがとうございます😌❤️」
「ご実家よかった!
コールブルー連発して頭ぶっ壊れたんかな笑 水曜日大丈夫です。よろしくお願いいたします。」
「そしたらまた新宿でも良いですか?」
「はい、新宿しようか。平和な夜だし僕適当に見とくよ。リクエストあればどうぞー」
「リクエスト、、、うーんできれば混んでないところが良いくらいですかね」
私は人混みが嫌いなのでそう言った。
「不人気店ご希望てことかな笑?
やっぱり気になる?よね?
もはや常識と個々のモラルとが混同してるから抵抗あるなら急ぐ話でもないので、日程はアスカちゃんの気が向いた日で大丈夫ですよ」
「不人気店ってことではないです笑
言い方が悪かったです!
あんまり人口密度高いところでなければ笑」
「怖いですね😢気になるので早いほうがありがたいです」
「怖いよね。ごめんなさい。
謝りたかったんだよ。怖いことしたなって。僕らがこの後どーゆー付合いするか分からんけどパパ活的なのはないって同意だったと思うからやっぱ始まりは間違ってたなって。完全に僕の不徳の致すところですよね。」
「こないだの事は私の方が悪いと思ってます。振り回してごめんなさい。むしろあの状況で止められる人なかなかいないと思います。」
「でも怖かったろ笑?」
「正直今になったら記憶曖昧なんですよね💦」
「えー!もっと触ればよかった笑
うそよ笑」
「なにいってるんですか笑
私は翔さんを利用するつもりはないですよ」
「ココイチのチャンスでしょうが笑
利用?」
「あと言い方悪かったのかもしれないですけど、パパ活はしたことないです笑
男性にお金もらうのはリスクが高いです。
やるなら別の方法でやります」
「お金目当てなら勤務医はやめとき。薄給だよ。狙い目は医科歯科!」
「だからお金目当てじゃないですって苦笑
そこまで困ってない!ココイチってカレーの?」
「ココイチ=ここいちばん」
「酔ってる時にひどーい」
「隙があるんだよ」
「お互い様でしたよね笑」
「まじ!?」
「私が飲ませたのが悪かったですね」
「ぶっちゃけ、そんなに酔ってない。そこそこ覚えてるよあれやこれや。」
「え!?結構飲んでませんでした?
強いな」
「シラフではないけど飛んでないかな。いい女の前では酔わんのかな!
こんな遅い時間だけど、朝起きれる?起こそうか?僕朝までお仕事してるから」
「うまいですね笑笑
私も聞きたいことあるんですけど、ちゃんと顔合わせて話したいです。
こんな気になる話しするから寝れなくなるじゃないですか笑
あ、お仕事中にごめんなさい!💦
直で色々話しさせてください」
「こちらこそ夜分に申し訳ございませんでした。
え、、、何か怒られるの?看護師さん苦手なのでお手柔らかにお願いします。。」
「怒ってない笑笑
じゃあ水曜日よろしくお願いします!
私も必要ならなんでもするんで言ってくださいね!」
そして返信がこなくなり、水曜当日の夕方。
「お疲れ様!ごめんぼく時間も言ってなかったよね
7時大丈夫?あわせる。んでごめん、店決めてなくて。とりあえず駅待ち合わせでお願いします」
「ごめんなさい!19:00多分ぎり、、、大丈夫だと思います!
お店探してみますね!」
「全然大丈夫!ぼくもだから笑ゆっくりきて。
店も適度に見て決めよ」
「すみません!JR待ち合わせですか?」
「謝るとこある笑?僕が口だけ男やったからじゃんね笑
JRにしよか」
「関西人笑!
はい!次でつきます!」
駅に着いた。翔と待ち合わせをする。
あんなことがあった後だからすごく緊張する、、、
翔は電話をかけていた。
こちらに気づいて、
『ごめんね!』ポーズをしてくれる。
とりあえず良かった。
翔が電話を切ると、
「ごめんごめん!
仕事の電話入ってきてさ!
今めっちゃ忙しくって!」
明るく翔が話し出す。
「そうなんですか?今日大丈夫だった?」
「大丈夫大丈夫!ただ途中で電話かかってくるかもしれないからそれだけごめん!」
「でも良かった!こないだあんなことがあったから気まずくなるかと思ったけど」
私が自分から笑いのネタにしようと言ってしまう。
すると翔が、
「あっ、まあその話しは飲んでしましょう!」
とやや気まずそうに言う。
「、、、はい!あ、私電車の中で良い店探したんですよ!」
私が駅近のイタメシ屋をネットで見せる。
「ありがとうございます、僕から見つけるって言ったのに」
「いいの!時間がある方がやればいいんだから」
お店に入り、ハイボールを大量に飲む。
翔は終始ご機嫌だった。
今日翔さん飲むピッチ早いな、、、
私が心配していた程、翔さんはあんな事、そんなに大したことだと思っていないのかもしれない。
「勤務医の給料本当に低くてさ!
もう医者なんかより歯科医とかの方がよっぽど稼いでるからね!」
お金の話しをずっとしている。
「お金のために医者になったんじゃないでしょ!
今のお仕事好きでしょ?」
「子供は好きじゃないけど、まぁ気に入ってるね。俺は医者の家系でもないし。
親父はエンジニアでオフクロは官僚かな。」
うっわまじか。ちゃんとした家なんだ。
私はそう思った。
私の両親も地方の中小企業で働いている。
姉も看護師の専門学校卒業だ。
恥ずかしくてそんなこと言えなかった。
やっぱり別世界の人だな。
「それより俺、上と下に姉と妹いるんだけど、そいつらが俺より優秀でさ!!
姉も妹も東大なんだよ!
姉はしかも医学部で今海外の病院の第一線で活躍してんだよ!
しかも旦那さんはパイロットだし!
その娘はハーバードの大学生!
もう恥ずかしいよな!」
うわー、、、言葉がでてこない。
こんな世界あるんだ。
私は引いてしまった。
うまく反応できない。
私は入っていけない世界だ。
「妹は外交官よ!旦那もね!
本当できの良い兄弟もつと、俺なんなんだろうとか思う!笑
俺神戸大の医学部落ちてるしさ!」
レベルが違い過ぎる。
「充分優秀じゃないですか」
「いやいや、本当神戸大落ちた時すごくショックで、もう大学なんて行かなくていいと思ってオフクロにそう言ったんだよね。
でもオフクロに叱られて、私立でも良いし、成績優秀者の奨学金も貰えるんだから行くように言われたんだよね。」
やっぱり私とは違う世界の人なんだな。
翔のお酒はすすむ。
ハイボール好きなんだな。
あんま食べてない。
華奢だしあんまり食事摂らない人なんだろうな。
翔は上機嫌で昔の話しをしだした。
「昔俺元カノにストーカーされたことあってさ!
合鍵とかあげたことないのに俺のいない間に家勝手に入られてさ!
そしたら使用済みナプキン落ちてたんだよね!
怖くてすぐ引っ越したもん!」
使用済みナプキンに引いてしまい、私は顔をしかめる。
「あ、ごめん引いたよね」
「いや、大丈夫ですよ。そんなことする人いるんだね」
モテるんだな。その時はそう思った。
ストーカーとかされたことがない。
魅力のある人にはそういう人がつくんだね。
ラストオーダーがきて店をでた。
もう終電を逃している。
しかも翔はベロベロに酔っていて、ふらつきながら歩いている。
翔とフラフラ歩きながら、どこか空いてる店はないか探していると、カラオケ屋が目に入った。
なぜか2人で吸い込まれるように入っていった。
個室の中に入り、さらにハイボールを頼む。
翔が私にキスをしてくる。
やっぱり上手いな。相性が良い。
手が伸びてきて胸などを触ってくる。
服を脱がされる。
私も抵抗しなかった。
胸を触って翔がギラつく目で、
「えっ、何カップだっけ?
やっば!」
と口元をニヤつかせて言ってくる。
「綺麗な身体だね。」
褒められて嬉しかった。
やっぱり裸を見せるって緊張する。
下も舐められる。
恥ずかしくて逃げようとしたら、無理矢理舐めてきた。
「いやいや言われたら興奮するから。
僕AVもレイプもの見てるから」
私が思わず引いてしまう。
顔にもでていただろう。
「最後までするよ?」
「それはだめ!」
思わず声をあげてしまう。
翔が真面目な顔になって座り直した。
「今日さ、絶対明日のクリスマス避けて誘ったでしょ。」
と、やや不機嫌そうな声で言い出す。
びっくりした。
「えっ、だって、、、こんなまだ数回しか会ってないし、よく分かんない感じでクリスマスに誘えないじゃないですか、、、」
「で、誰と過ごすの?
その体の関係ある奴、、、?」
「、、、」
本当は誰とも会う予定なんてない。
弱い私は、葵ちゃんの前でもかっこつけている。
誘えてないのである。
「本当は俺、今日アスカちゃんに告ろうかなって思ってたんだよね。
あ、冗談ね」
最後にやや笑って言ってた。
え、冗談なの?
「俺は、来年にはアメリカに行くんだ。
あっちでしかとれない資格をとりにいく。」
え、、、そうだったの。
少し沈黙を置いて、私が言う。
「初めて会って、普段知り合うはずもないような人と出逢えて、話してみてこんな良いお医者さんもいるんだって、本当に嬉しかったです。
幸せになってほしいです。」
「そろそろ帰るか」
翔が言い出す。
2人でタクシーを拾って、翔は私の家まで送ってくれた。
今回はタクシーから降りずに手を振ってくれた。
なんだか複雑な気持ち。
最初のコメントを投稿しよう!