揺れ動く心

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揺れ動く心

そこから返信がなく、もう興味がもたれなくなったのかなと思ってきた。 他に良い人いないか探してみようかな。 12月31日 急に翔からLINEがきた。 「日本は年の瀬かな?僕は今から帰国フライトだからよく分からん年越しになっちゃった笑 けど初めて飛行機で年越しだからマニア的にはたまらんね! 良いお年をお迎え下さい(^^)」 すごく嬉しかった。 すぐに返信したら、暇人と思われるのが嫌だから日を跨ぐのを待つ。 年明け 「あけましておめでとうございます✨ 変な人笑 お疲れ様です! 年末に海外羨ましいですorz 気をつけて帰ってきてください!」 「旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。早々言ってくれますね笑 年末海外とか響はいいけどそんな洒落たことしてきてないよ笑 過酷すぎた。蕎麦食おう。 近く会えない?」 「なんで急にそんなに丁寧なんですか笑 怖いですよ お疲れ様ですー 頑張りすぎじゃないですか? 早死にしますよ 私大丈夫ですけど、疲れてないですか?」 「疲れたけど明日から連休だし平気です」 「もーう心配してるのにー 時差ボケないですか?慣れてるか かわいげがない」 「すいません。ご心配には及びませんが、可愛げのなさはあすかには言われたくない笑 こんな可愛げない子供もなかなかいないよね」 「まーた始まったorz 関西人! 優しくないもん笑」 「僕の半分は優しさで出来てるのに」 「残り半分が強すぎるw 冷たいこと言うからこっちもムキになるんでしょ笑」 「なるほど。ちょっと成分調べとくわ いつ空いてる?」 「今日は流石に休んだほうがいいですよ笑 明日は? てか私達タイプが同じなんですよね笑」 「タイプは近いのかなとは思うけど。僕はこんなにひねくれてない! 明日って2日?」 「切れ味がすごいorz ひどいよーもー」 「ごめんなさい」 「ばか」 「許して」 「もう日付変わってるから3日だよ、大丈夫? なんでそこで食い下がるの?笑」 「大丈夫です。暇なので。」 「怖いよ笑笑 何時からでも大丈夫だから。 むかむか ばか」 「ごめんってば笑」 「もっと優しくなって笑」 「頑張ります!」 「絶対思ってないよ笑 とりあえず長旅おつかれさまです。 身体休めてください! 本気でいってるよ」 「ありがとう(^^) 夜分にごめんね。じゃ明日6時に新宿でもいい?」 「朝?夜よね?」 「夜。朝が良かった? 返信しといて申し訳ないけど早く寝な」 「なにそれ笑 まんま返す!笑」 「時差ボケついでに論文仕上げてんの!」 「どんだけよ笑 そういうところが心配なの! 寝るよ、それでいーんでしょ! おやすみ笑」 「かわいいな笑 おやすみ」 とりあえずまた会えるのすごく嬉しい。 私のこと忘れてないってことだよね。 翌日もそのままLINEのやりとりは続く。 「どこ行きましょうか。 翔さん忙しいでしょうから、またご飯ですよね」 「ドライブとか考えたけどあなたの予定が分からんから提案できないでしょ。」 えっ、そういう選択肢もありだったの?? 早く言ってよ。 体目的じゃないってことかな。 「私日中もあいてますよ」 「ごめんこっちが先約入れちゃった。から別日にしよう」 あ、私がはっきりしなかったからだ。 すごく残念だった。 ドライブ行きたかったな。 「わかりました」 あー。私がはっきりしなかったのが悪いのかな。 これでまたしばらく会えないのかな。 なんて思っていた。 1月4日早朝、 「仕事始めいつなの?」 翔から連絡がきた。 「仕事始めは7日からだよ、 あれ6日だっけ」 「緩いな笑 夜予定あるの?飯行こうよ」 「いつの夜のこと?」 「今日。本日」 「いつもよりちょっと遅めでも良いなら」 面倒臭いと思われても良いのにちゃんと時間とって会ってくれるの嬉しいなと思った。 今回お店は翔が選んでくれた。 個室居酒屋。 前に静かで落ち着ける場所と言ったこと、私の自宅に近いところを選んでくれたのかなと嬉しくなる。 翔は先にお店に入っててくれた。 名前を言ってお店に着く。 今回は時間ギリギリだけど間に合った。 「お久しぶりです。」 個室のドアを開ける時すごく緊張した。 そんなに時間は経ってないけど、久しぶりな感じがするのは、翔が日本にいなかったからかな。 寂しかった。 「お久しぶりです。」 翔は痩せているように感じた。 何話そう。 生ビールで乾杯する。 「あ、約束通りちょっとした物だけどお土産買ってきました。」 アメリカ産の瓶ビ一ルとキ一ルズの固形石鹸をくれた。 おしゃれだな。 「ありがとうございます!石鹸良い匂い!ちゃんと約束覚えててくれたんですね!」 「そりゃあもう!すごく向こうで忙しくってさ!試験受けてきたんですよ。」 と仕事の話し、年の瀬に飛行機に乗っていたこと、向こうに住んでいる親戚に少し会った話しなど楽しげにしていただいた。 明るく機嫌よくお酒を飲んでいるので安心した。 お酒のペースが早かった。 一緒に店を出る。 「タクシ一捕まえようか」 また翔はふらふらに酔っていた。お店でもお酒ばっかり飲んでいてあんまり食べてなかったな。 食が元々細いのかな。 このまま家に送り届けてくれるのかな。聞いて良いのかよくわかんない。 タクシ一の中に2人で乗り込む。 翔が機嫌よく運転手さんに、「えっと、あれあれこの変で泊まれるところありますかね。」 口籠もりながら聞いている。 運転手さんは若くて新人の様子だった。 「えっ、何ですか?」 「だから、、、、あれですよ、この後ゆっくりできるようなところこの近くでありますかね?」 「えっ、どういうことですかね?」 「だからラブホテルですって!!!!!」 いきなり大きな声で翔が言ったので私も運転手さんもビクッとした。 私は赤面で顔を覆って項垂れた。 この場から消え去りたい。 運転手さんもうろたえていた。 そして近くのラブホテルまで案内される。 やっぱり一回あんな雰囲気になってしまったら体目的になっちゃうのか。 どうしようかな、この後の関係。 嫌ではないし求められるのは嬉しいけど不安な気持ちも出てくる。 タクシ一を降りて適当なラブホテルに入る。 適当な部屋を選び入っていく。 入ったらお酒を飲みつつ、翔が体を触ってくる。 「体綺麗だね。若いねえ。」 「、、、わかりました。すごくよくしていただきましたし、今回最後までしても良いですよ。 でも私性欲が強いわけじゃないし、もういい歳だからセフレを作りたい訳じゃないんですよね。 もし今回したらもう会わないでおきましょう。ワンナイトで。」 そう言って翔の気持ちを確かめることにした。 駆け引きをする嫌な女だ。 自分でも心の底からそう思う。 「いい歳っていう歳でもないでしょ。クソガキが。」 翔は手を止める。 「、、、わかった。じゃあ今回もし僕が最後までしなかったら付き合ってくれる?」 「、、、えっ?」 一瞬空気が止まった。 何を言ってるんだろう。 もし止められなかったらどうするつもりだろう。 男なのに、、、 試す意味も込めて私からも責めてみた。 タンクトップ、トランクス姿になった翔にキスをして首筋を舐めて感じているのがわかる。 気持ちよさそうなのに下にいく前に翔が上乗りになって責めてくる。 手や口で責められていく内に寝てしまった。 数時間寝た後お互い起きた。 時間を見ると10時台になっていた。 「あ!!!!!!もうこんな時間だよ!!!!大丈夫!?」 私が大声を出す。 翔も横で寝ていたが、ビクッとして起きた。 「マジで!?でも僕今日夜勤だから大丈夫。」 すぐに答えた。 寝起き良いんだな。 それで2人で身支度をしてホテルを出る。 駅まで歩く最中、 「結局最後までしなかったね。賭けは翔さんの勝ちですね。」 「でしょ。僕紳士ですから。」 そんな会話をしている。 すごい、この人普通の性欲剥き出しの体目当ての男とは違うのかもしれない。 、、、、、、 「、、、わかった。じゃあ私も今他で遊んでいる人きるから、そっちもきってください。 それで付き合うのはどうですか?」 昨日駆け引きなしに恥ずかしいことを言ってくれた翔に対する誠意を示したつもりだ。 私も少し勇気を出したい。 何か変われば良いな。 「、、、、、、、、、いや、いいや」 翔が遠くを見ながら言った。 「、、、、、、、わかりました。」 昨日やっぱり性欲からくる勢いもあって、酔って口先だけで言ったのかな。 朝になって冷静になったのかな。 寂しい気持ちで少し翔の斜め後ろを歩いて翔を見ながら歩いていた。 するとふと気づくものがあった。 「、、、、翔さん」 「ん?どした?」 「、、、、それ」 私が翔さんの側頭部を指刺した。 10円ハゲができていてそこを指さした。 「、、、、、、、気づいてたの?」 「うん」 「あ一気付かれたくなかったな。」 「アメリカ大変でしたか?」 「うん、めっちゃ勉強した。クッソ忙しかった。」 「ばか。ちゃんと話してくれればよかったのに。」 「言えるかよ」 「もう」 地下鉄に降りる階段の前にきた。 「ここだよね?私JRだから」 「うん、ここ」 少し間が空く。 翔が降りようとしない。 寂しいな。 翔が振り向いて寂しそうな顔をする。 「、、、、、、、帰りたくない。」 翔が潤んだ瞳で言った。 私ははっとしてしまった。 思わず人目もはばからず翔を抱きしめた。 しばらく抱きしめていた。 「、、、、、、今日ありがとうございました。またご飯付き合ってください。」 私がしばらくして翔を解放して言った。 「こちらこそ。ありがとうございます。明日から仕事頑張れそうです。」 「お土産ありがとうございます。お仕事頑張ってください」 そう言って別れた。 帰り道軽くフラれたけど、最後のあの言葉どういうつもりだったんだろう。 翔の気持ちがわからない。 そうして私は帰路につく。
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