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「ちょ、聞いて。ウチの彼ピがノリで投稿した動画がバズッちゃって」
「ま? どんなんよ?」
「コーヒー風呂に地球グミを浮かべて宇宙を再現して入ったった」
「なにそれじわる。やばみしかない」
二人の女子生徒が談笑しながら自分達の教室に向かっていると、正面から頭頂部で結んだ髪を揺らし一人の生徒がやって来た。
「おはよう」
二人の顔を見るなり挨拶をするが、話に夢中で気付かずそのまますれ違った。
「待て。2年C組出席番号24番”鶴見弥代”。同じく2年E組17番”烏丸玄亜”」
不意に名を呼ばれた二人は足を止め、チラリと振り向く。
そこには鋭い目つきの“鬼”が仁王立ちしていた。
「挨拶されたらちゃんと返せ! コミュニケーションの基本だろうが!」
登場早々激おこぷんぷん丸な彼女は“煮王阿紅璃”。いつもおでこに怒りの四つ角→💢を浮かび上がらせ、どんな些細なことにも怒りをぶつける女子高生である。
ちなみにここ、華樹林高校の生徒会長でもある。
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