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ヒトガタ。UMAのヒトガタか?浮かんだ疑問に答えるように丈晴さんが胸ポケットからスマートフォンを出し、画面を俺に見せた。全身真っ白の、丸い頭の奇妙な生物。手足の長さや骨格は人間のようにも見える。ただ、不鮮明でよくわからないが、腕の先は鯨のヒレのような形をしているように見えた。
「これは2011年12月に金華山沖で撮影された」
「金華山?北極とか南極じゃないんですか」
「都市伝説ではそう言われているけれど。金華山沖でこんなものが見つかったなんて正直に言ったらパニックになるよ。東日本大震災もあったし慎重になったんだろうね」
「なるほど」
「まあ、アポカリプティックサウンドが騒がれるようになったのもこの画像が撮影されたのと同じ年だし、震災との関連性はなきにしもあらずなんだけど。まだそのあたりは不明」
「でもアポカリプティックサウンドが聞こえたのは海沿いの都市に限らなかったと思うんですけど」
「そこなんだよ」この話が面白くて堪らないという表情だ。「多分ヒトガタは水陸両用だ」
「ヒトガタの体長は?」
「小さくても10m」
「そんな生き物が陸上にいたら騒ぎになりますよね」
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