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ゲーマー保坂くんの家に行った場合 ①
「ねぇ、行ってもいいだろ~?」
「ダメったら、ダメ。」
「え~、だって相手、保坂だよ。いいじゃん別に~。」
「ダメ。ってか、誰が相手だってダメって分かってんだろ。」
「いいじゃん、けちー。」
ほぼ毎日繰り広げられる攻防戦。
今日も俺の負け。
ま、勝ったことなんてないんだけど。
俺、渡邊幸樹は三歳年上の彼氏と同棲中だ。
相手は同じ大学のサークルの先輩だったりする。
相沢貴明先輩。超かっこいい俺の恋人。
うっかり同性が恋愛対象ってぼろりとこぼしたら、あっという間に一緒に暮らすことになっていたという、魔法使いのような人だ。
田舎もん丸出しな感じで上京したばかりだった俺はといえば。
都会ってすげぇ。
結構オープンなもんなんだなぁ。
なんて感心するばっかりで、流れ流され、いつの間にか先輩と一緒に暮らす事に同意していた、らしい。
『らしい』というのは、いわゆる流されるまま、ほにゃららの最中で同意したみたいだから。
ほぼ記憶になかったし、それ、犯罪ですよね、って思っちゃうけど、先輩の顔が俺の超好みだったから、結果オーライって事だろう。
今は本当に好きだよ、本気で。
「あ、そうそう。幸樹、俺、今日ちょっと遅くなるから。」
「え~ならなおさら保坂の家に行ってもよくない?」
「よくない。それはダメ。」
「じゃ、泊まらないから、ならいい?先輩が帰ってくる前に帰ってきておくから。それならいいんじゃ・・・」
「幸樹。それでもダメ。」
ああ、また負けた。
いつもいつもそうやって反対される。
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