ゲーマー保坂くんの家に行った場合 ①

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さて、何で俺が保坂の家に行きたいのか。 何で先輩が俺を保坂の家に行かせたくないのか。 俺には謎なんだけど、先輩からしたら至極まっとうな理由があるそうだ。 俺は所謂ゲーマーで、とにかくゲームが好き。 で、大学で知り合った同じ学部の保坂は俺よりも格段上のゲームおたく。 そんな、同じ趣味のゲーマーである保坂の家で俺はゲームをしたい。 だって、超大画面のTVがあって、臨場感抜群なんだよ、保坂の家。 それに、俺の持っていないソフトならやってみたいし、攻略法も教えて欲しい。 俺も持っているソフトなら一緒にやりたい。 パーティー組むのはオンラインでもできるけど、やっぱりその場に一緒にいるのは格別の楽しさがある。 だから泊まり込みでゲーム三昧したい!って言ってる。 当の保坂は「いつでもこーい」って言ってくれてるから、連絡さえすれば二つ返事でオッケーくれるのはわかってる。 対して、先輩の言い分はこう。 恋人のいる俺が、相手が友達であっても、相手の家(もしくは部屋)に泊まりにいくなんて言語道断ってことらしい。 それってビッチと同じだからな。って言われた時には驚いた。 え?ビッチって、不特定多数の方と、その~ほにゃらら~いたしちゃう人の事ですよねぇ。 え、俺ってそんなんなの? そんな風に見られちゃうの? ないない、そんな事ないってって言っても、先輩は納得してくれなくて。 「こんな可愛い幸樹が野郎の家にいくなんて、狼の家にご馳走もって遊びにいくのと同じだ!」 なんて力説してました。ハイ・・・(はぁ) 俺だって、先輩の事、と~っても好きだから、先輩が悲しむ事とか、嫌がる事なんてしたくない。 だから、断って、断って、断りまくってたさ。
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