4人が本棚に入れています
本棚に追加
第十二省百四庁の実績と評価
・日本国憲法第十二章第百四条の個々の贖罪執行実績が公開されるのは、執行から二十年後であるため、即時の正当公正な評価は不可能であるが、第十二省百四庁の実績については概ね好評である。
・悪評高い人間が事故や病気で死亡すると、それが第十二省百四庁の仕事と見なされることが多い。
・十二名リストや百四名予備リスト作成のために、国費を使って国民投票を行なうが、その実施に不満を唱える者は皆無と言っていい。
国民は、国民投票に積極的で、簡便とはいえない記述式(五名までの大罪候補者の氏名の他に、大罪候補者それぞれに百字以上の理由が記載されていないと無効とされる)であるにもかかわらず、投票率は毎年九十パーセントを超えている。
投票行為自体が、国民の不満ストレス解消に役立っていると考えられている。
また、十二名リストや百四名予備リストに掲載されているのは、国民投票において、国民の過半数が名をあげた者だと言われている。
・国民の70パーセントは、裁判員制度で裁判員に選ばれることを望まないが、第十二省百四庁の贖罪執行賛否アンケート(関係者百人アンケート)の回答者に選ばれることを望んでいない者は、全国民の五パーセント未満であるという民間調査会社の調査結果が出ている。
その調査結果から、大罪者に近しい者は大罪者の排除を望んでいる場合が多いことが推察される。
自分の肉親でも悪者は罰を受けるべきだと考える者が多いのは、肉親の情より共同体の規律を重んじる日本人の特性であるとする考察がある。
最初のコメントを投稿しよう!