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謎の特等
「え? 虹玉?」
おじさんは、ガラガラから飛び出した虹玉を取り上げて、マジマジと見た。
「そうだよ。一等でしょ? まあ、そんなフィギュアいらないけど」
しかし、内心オレは、「やった」と思っていた。
ネットオークションで売り飛ばすつもりだったのだ。人気フィギュアなら、高値で売れるだろう。
オレは、ほくそ笑んだが、おじさんの様子がおかしい。
「いや、違うんだ」
「は? 何が違うの?」
おじさんは、明らかに狼狽えている。
何か、説明書を取り出した。
「に、虹玉は特等らしいよ」
「らしいって、どういうこと?」
「いや、僕が見た時、特等の設定はなかったはずなんだよ」
しかし、おじさんが、パラパラとめくる説明書を見せてもらうと、確かに「特等 虹玉」の記載があった。
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