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所詮、世界はイレギュラー
私たちは、人を殺すと罰を受ける国に生きている。
その理由は簡単だ。単純明快。
この国が法治国家であるから。法によって裁かれ、法によって築かれた国であるから。
だが、その法自体、ほかでもない人間がつくったもので。それを理解しているのは、果たしてどれだけの数いるんだろうかと思う。
刑法一九九条。
そこには、「人を殺したものは、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役の処する」と記されている。あまりにふり幅が大きいのは、きっと、それだけ多様な人間がおり、それだけ多種多様な犯罪が起こされてきたことの証左なんだろう。それだけ多くの人が裁かれてきたことの証なんだろう。
ゆえに法律は時代や必要に応じて、付け加えられたり、書き換えられたりする。
最近でいえば、煽り運転の罰則規定とか。
それだけのことを理解している。
私はそれだけのことを理解している。
それでも、
「今日は、飛鳥ちゃんの頭をつくろうね」
私は今日も今日とて、人を殺す旦那を止められない。
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