(仮)マーツと離れてから

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なのに、いつも不安そうに、寂しそうにしていたお母様を殺してしまうとか、そんな酷いことしてしまうお父様なんて、肉親と思う事すら嫌だ。 僕にもそんなお父様の血が受け継がれてるなんて、僕自身も汚いみたいだ。 生きていた頃にお母様に愛を伝えられなかった自分にも腹が立ったし、悲しかった。 僕は悲しそうに伏せているお母様に上手く接してこれなくて、甘えることさえもできなくて、寂しかった。 僕を見ると悲しそうにするから、僕は生まれて来なかったほうが良かったのかと思ってたくらいだし、今もマーツが居なければ、僕は自分の命を軽んじてたかもしれない。 それだけマーツという存在は僕にとってはなくてはならない人になってる。 愛するより、もっと深く。 それでもお母様を亡くしてしまったこと、逃げてしまったこと、悔やんでる。 お父様にはクレイという愛人が居て、お母様はひとりで寂しかったんじゃないかと思うし、幼い頃から、お姉様との確執は子供ながらにひしひしと感じていた。 お母様は娘であるお姉様を怖れてもいたみたいだった。 心をを読めてしまうお姉様を生んでしまったお母様は、そのことで苦しんだ後、国を継ぐ男子の僕を、ただただ、義務のように産んだらしくて。
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