(仮)マーツと離れてから

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マーツを距離を取ってもらいたいなんて、言った後で引き留めて、甘えたこと言って、きっとマーツを傷つけてしまった。 結婚相手を大事にしたい思いと、マーツに近くに居て欲しい思い。 大事な二つの思いは両手で持てないほどに大きかった。 結局その両方を大事に出来ない状況を、僕は作り出してしまった。 僕の罪だ。 分かっていても、それでも僕は、マーツを失いたくない。 僕専属の側近の立場のままで居て欲しいなんて引き留めて、僕はマーツを手放せない。 例えマーツを苦しませても。 マーツを手放してあげたほうが、マーツにとってもいいかもしれないってわかってる。 そうしたら僕は、きっとお母様のように、フローラを悲しませることもなくなる。 なのに、どちらかなんて選べない。 ずっと、マーツに側に居てほしい。愛して欲しい。マーツに抱かれたい。 本当に僕は愚かだ。 大好きで大事なはずのマーツを傷つけながらも、マーツだけを固執に愛し続けている。 結局僕は、フローラを恋愛対象として愛せない。 こんな状態では、フローラもお母様の二の舞にさせてしまう。 そうなるのも嫌なはずなのに。
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