真・王道転校生

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「あれ?おれ、帰んない方が良かった感じですか?」 やっちゃったかな。特になにも言われずに解散になったから、帰っていいものだと思っていた。 「大丈夫ですよ。灯には明日から仕事に入ってもらいます。私たちも、今日の仕事はもう終えましたから」 言われてみれば、先輩達はソファに座ったりして、紅茶やコーヒーを飲んでいた。 「ところであーちゃんはどーしたの〜?」 「六条にまだ生徒会室内の案内してないだろ?今日のうちに言っといた方が、明日楽だろうから」 「そういうことね〜」 瀬川先輩の質問に長谷部先生が答える。 「ならさー!その案内ー!」 「ぼくたちがやるよ!」 葉月先輩と夏月先輩が元気に手を挙げて言った。 「本当か?ならよろしく頼む。ついでにもっと仲良くなっとけよ」 じゃあ俺は戻る、と言って先生は生徒会室から出て行った。 そういやなんで長谷部先生が案内することになってたんだ? 「長谷部先生は、生徒会の顧問だ」 「そーなんすね。あ、だから集会の時も出てたのか」 「あーちゃん、今頃〜?」 「いや、気になったっちゃ気になったんすけど、その時はまあいーや、で流しちゃって」 「適当だな、お前」 「案外鈍いのかもしれないですね」 酷い言いよう。適当なのは、まあ、そうかもだけどさ。鈍いってなんだよ。 頭の回転が鈍いと?いくら先輩でも馬鹿にしすぎじゃない? 「そんなことないです」 そう反抗すると、和泉先輩が紅茶が入ったマグカップを渡してきた。 むすっとしていることが顔に出まくっていたらしく、和泉先輩がこう言う。 「そんな拗ねないでください。紅茶でもどうですか?時間もまだまだあるわけですし、案内はその後、ということで」 「そうだな。顧問もああ言ってたことだしな」 「そうだね〜。仲良くなろ〜、あーちゃん」 「今よりもー!」 「もっともっとね!」 和泉先輩に続いて先輩たちはそう言い、おれに質問の雨を浴びせ始めた。
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