0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
あの母の腹にいた私。
私の母はあの女。
あの女が私を産んだ。
幸せを願って生まれてきたはずなのに
待っていたのは偽りの幸せ
私に自由はなかった
私に与えられたのは
いくつものルールと
あの女に似た数人の大人たち
大人は私を見なかった
誰かはそこにいるのに
寂しさが積もる
私の言葉は届かなかった
言葉さえも心さえも
ルールを押し付けられた
私の心は少しずつ閉ざされていく。
心を閉ざしていくことさえも知らないあの女。
あの女が言う。
「いい子ね」
あの女の元に
生まれて
生きて
私は私じゃない何かになっていく。
最初のコメントを投稿しよう!