さくっと転生

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さくっと転生

「ん…ここは?」 「異世界だよ。」 この異世界は真ん中にどどんと大都市を置いて、後は魔物が彷徨く無法地帯。 人々は助け合いを余儀なくされる世界でもあるけどね。 「ここが異世界…。」 「この世界の人達はこの大都市から逃れられない、助け合いが鍵の世界だよ。」 「助け合い…ですか?」 「そう、そして…働かず者食うべからずさ。人々は何かしら働いてるよ。」 人々は生活範囲を拡げる為にギルドを立ち上げ、日々魔物と戦っている。 「あんた達!!見ない顔だけど、職は?」 「うわぁ!?」 「こっちが見習い占い師、俺は神官さ。」 「占い師?水晶を持ってないじゃない。」 「今、渡す所さ。」 「え…?占い師?僕が…?」 「ほら、水晶。これで念じてみな。」 「う…うん。」 少年が水晶を持つと水晶に何かが映る。 その光景を知らないおばさんと俺が見る形だ。 「これは…?」 「この光景は…水、それとも鉱石かい?」 「どれ…近くの森に水源が発生したようだ。」 「距離は?」 「さほど遠くないが…魔物に気をつけることだな。」 「分かった、ギルドの皆に伝えてくるよ!!」 知らないおばさんがどこかに行った後、少年は気迫に負けてへなへなと崩れ落ち、コロンと水晶を転がした。 「はぁ…びっくりした。」 「とまあ、騒がしい一面もあるということさ。」 「ところで神官って言ってたけど…。」 「ああ、あれははったりさ。」 「嘘なの!?」 「この世界では見かけない顔=見習い扱いだからね。」 もしくは不法に入ってきた魔物扱いされちゃうけども、そんな高位な魔物は入ってこれません。 「うーん、便利屋でもしようかな。」 「便利屋?」 「君の役職は決まったから、俺は世界をぶらつこうかと思ってね。」 「世界をぶらつこうって…僕のことはどうするの?」 「近々、ギルドのどこかに派遣されるんじゃないかな?」 「ちょっと、そこの見習い占い師!!」 「は…はい!!」 「あんたの情報当たってたよ、うちのギルドにどうだい?」 「えっ、えーと…。」 「行くあてがなければ行ったらどうかな?」 「は…はい。それじゃ「良し、決まりだね!!それじゃあ、水晶持って付いてきて!!」…ええぇ…?」 少年の拠点も決まったし、俺はそっと離れる。 さて、便利屋でも本格的に開こうか。
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