さくっと転生

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それから一ヶ月。 とあるギルドの占い師の情報が良く当たると評判になっている。 ま、俺には関係無いけどね。 「すいませーん、集金にきたんですけど。」 「ん。」 「はい、どうも…ってあんた、いつになったら働くの?」 どうやらこの世界では上手い具合に動いている為、便利屋はあんまり必要ないようだ。 必要あることといえば、ギルドに取り込まれそうな依頼ばっかで働き口が無い。 だから、下仕事を探してお金を稼いで拠点の集金に備えてるだけの暮らしよ。 「そろそろ働くよ。」 「口ばっかね、あんたが働いている所なんて見た覚えがないわ。」 「さて、少年の所にでも行くかな?」 「少年?どこのだれよ?」 「とあるギルドの占い師の少年だよ。」 「それって、良く当たるって評判の?」 「そうだ。」 「場所と名前は分かるの?」 普通なら、一ヶ月も離れたら場所なんてさっぱりだが管理者を舐めんなよ。 「プロミネンスというギルドで、名前がベレッタだろ?」 「…ろくに働かない癖に良く知ってるわね。」 というか、こいつどこまで付いてくるんだ? もうすぐプロミネンスに着くぞ? 「いらっしゃーい、ようこそプロミネンスへ。…あら、あなたは下町暮しのヒュマね。」 「ベレッタに会いに来た。」 「…あの子に?でも今は取り込み中よ。」 なにやら奥の方で揉めている声が聞こえる。 占いの結果が曖昧だから、良く分からないようだね。 「ベレッタ!!結果はまだ分からんのか!?」 「えーと、えーと…待ってください。」 「その結果にお応えしようか?」 「…む?誰だ貴様。」 「ちょっと小銭稼ぎに来た奴だよ。」 「小銭稼ぎだと?どこのどいつか知らん奴に占いの結果など分かるまい。」 「あ!!あなたは!!」 「よう。今はベレッタだったな、少年。」 「んじゃ、占いの結果に応えてもいいけど…手持ち金はあるかい?」 「あるにはあるが…これで何をするつもりだ?」 「占いの結果を情報として、あんたが買うのさ。」 ベレッタ君は有力だけど曖昧な情報を 俺はその曖昧な情報を的確に答える 知らないおっさんは的確な情報を手持ち金で買うという状況です。 「ベレッタに聞けば「それはそれでいいけど、曖昧な情報だからな。」…うぐ。」 「さあ、曖昧な情報でなんとか解釈するか的確な情報を買うか…どっちにする?」 「…情報を買おう。」 「毎度あり。」 そこからはおっさんの手持ち金次第で情報を与えた。 内容は近々、北側に襲撃がくる、勢力と勝算、確実に勝つためにはの辺りでおっさんの手持ち金がなくなったので打ち切った。 「はい、終わり。」 「続きは…!?」 「おっさんの手持ち金はないだろ?だから終わり。」 良し、これでかなりの期間をだらけられるわ。 大都市が敗れる心配はないけど、人口密度が懸念されるね。 「くっ…この欲張りめ…。」 「なんとでもいうが良い、全てはおっさんの手持ち金が少ないのが原因だよ。」 「…あんたって何者なの?」 「ただの怠け者だよ。」 その夜、おっさんのギルドから刺客が送られてきたけども、全て撃ち取ってやった。
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