鳥籠の中の可愛い小鳥

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声の出せない詩音は、必死になってぶんぶんと首を横に振った。 その度に、ガチャ、ガチャと、金属のぶつかる音が聞こえてくる。 俺は慌てて走っていき、ベッドの上で必死になって暴れる詩音の腕を掴んで動きを止める。 「ダメだよ、詩音。僕の愛する身体なんだ!大切に扱わないと駄目だよ。ほら、傷がついているじゃないか」 「うーーー!!!!!!」 詩音の瞳は涙で濡れている。 俺は、縛られている手首を見つめて顔を近づけると、濡れている涙を指で拭うと口の中へ入れる。 「…美味しいよ、この涙は食前のデザートだね。あと、もう一つ味わなきゃ」 クスリと小さく微笑んで、赤くなった手首を舌でゆっくりと味わうように舐める。 上目づかいに妖しく詩音を見つめる俺は、まさしく飢えた狼だ。 ビクッと大きく反応をする詩音の姿を見て妖しく微笑む。 「…感じているんだね。僕は嬉しいよ!」
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