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「篠崎さん、、、?」
「ごめんなさい、、、。今日はありがとう。楽しかったよ。」
言えた、、、。
振り向く事無く急ぎ足でその場を後にした。山上君はもう追っては来なかった。 当然だよね、、、。
この後私は体調不良を理由に会社を早退した。
大人気ない事も、無責任なのも分かってる。
だけど今の状態では仕事が手につかない事も分かっていた。
だから私は、、、。
別れを告げられたあの日、私は泣く事すら出来なかった。
好きで堪らなかったはずなのに縋ることもできずに。
既婚者だから?
嘘をつかれていたのが許せなかったから、、、?
ううん。そうじゃない。
私は彼の、、、涼【りょう】君の1番にはなれなかったからだ。
それが虚しくて悲しかったんだ。
自分で別れる事を選んだはずなのに、捨てたと思っていた感情が舞い戻ってきてしまった。
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