後輩

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後輩

「篠崎君!」 「はい!」 苦手な課長の声に振り向く。 モラハラ、セクハラ、何でもありの最悪な上司である。 何でクビにならないのかな、、、? 呼ばれる事にすら嫌気がさすけれど無視する訳にもいかないので課長が呼ぶ方へ向かった。 「君に教育係をお願いしたいんだよね。」 「え?私にですか、、、?」 「ああ。君にだよ。急で申し訳ないんだが頼むよ。君なら大丈夫だろ?」 「はい、、、。」 教育係って、何も聞いてないのにいきなり?一体誰の? 「山上!ちょっと来い!」 「はい!」 「今日から篠崎君に付いてしっかり学ぶんだぞ。さっさと仕事を覚えて貰わないと困るしな。分かったか!?」 「はい。頑張りますね。篠崎さん、よろしくお願いします。俺は山上璃空【やまがみりく】です。」 彼はそう言って笑った。 その笑顔がとても彼と似ていた。 自己紹介をされただけなのに胸が苦しくなるのを感じて思うようには笑えなかった。 「よろしくね。私は篠崎海です。」 傷だらけの心がズキズキする。 傷口がむき出しのままなのにそこに触れられたみたい。
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