後輩

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私が新卒だった頃ってどんな感じだったかな、、、? 今となっては「お局さま」と言われてもおかしくないような年齢になっていた。 同期の子達は女の子は寿退社していくし、男の子もいつの間にか既婚者になっていたり。 私は、、、 「篠崎さん。篠崎さん?」 「あ、、、ごめんなさい。えっと、、、」 「ここはどうすればいいですか?」 仕事中にこんな事を考えるものじゃないな、、、。 山上君の体が私の肩にぶつかった。 華奢なように見えたけれど意外とガッチリとしていて男らしい線をしている。 ハキハキとした受け答え、キビキビとした行動。 何もかもが眩しく見える。 「篠崎さんの教え方分かりやすいですね。この前教わった先輩、正直分かりにくくて。これなら何とかなりそうです。」 笑った時に見える白い歯 細くなった目 、、、 やっぱり笑った顔はどこか彼に似ている。爽やかな笑顔をいつまでも見ていたいなって思ってしまう。 傷口の痛みは変わらないのになぜか心が軽くなった気がした。
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