#5 ジャズバンド

14/37
71人が本棚に入れています
本棚に追加
/324ページ
 充希君は不服そうに口を尖らせていた。 「それ、あげます」 「は?」 「どうせ暇なんですよね? 私が教えてあげるので、物は試しにやってみましょう」 「マジでお節介っすね」 「教師はお節介なくらいがちょうど良いんです」 「本当、熱いっすねー」  充希君は微笑んだ。とても、優しい顔で。  テナーサックスを見つめる瞳は、金色の光を反射してキラキラと輝いていた。
/324ページ

最初のコメントを投稿しよう!