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「顔面偏差値が一気に上がったねー」
椅子に腰かけ、売店のパンを頬張った男子生徒が、ほんわかとした声を出した。充希君は、首を傾げている。
「……えーっと、君は?」
「一年の須藤俊、よろしく」
「タメ口……まあいいか」
差し出してきたふくよかな手を掴んで、苦々しい顔で握手している。
「何言ってやがる! ビジュアル担当は俺だろ?」
強面の男が脅すように俊さんに食ってかかっているが、俊さんは動じることなく「はいはい、明良君は黙ってよーねー」と宥めていた。明良さん、やはり高校時代から強面だったのね。
「久美ちゃん、もしかして宇留野先輩が?」
明良さんと俊さんの間からひょっこり顔を出したのは、くりっとした目が特徴的な可愛らしい女子生徒、由里香さんだった。
「そういうことです!」
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