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「あっ、出て来ましたよ」   光里は、楓にそう言うと、反対隣に居るいずみの腕をつつく。 チャペルの扉が開き、龍司と沙織が腕を組んで出て来て、参列者の拍手とお祝いの言葉が飛び交う。 「うっわ~! 何度見ても二人とも素敵~!」 感嘆の声を漏らしたいずみが、ふと思い出したように吉沢に向き直る。 「あ、そうそう……イケメンって言えばさ、式の時、同じ列の向こう側に座ってた人、坂口さんって言って社長の親友なんだって。 背もメチャ高いし、モデルさんみたいだったよね~?」 「ああ、何か目立つ感じのイケメンがいたな。てか、何でお前、そんなこと知ってんだよ」 「式の前に、沙織先輩のドレス姿見たくて、光里先輩と一緒に控室に会いに行ってたのね。 そしたら、丁度、社長が沙織先輩に 『親友を紹介しとこうと思って 』と連れて来たのよ。ついでに私も紹介して貰っちゃったぁ!」 「はぁ? 何だよ、この面食いが! 嬉しそうにしやがって」 「いいじゃ~ん、別に。吉沢くんには関係な……」 そんなふうに、二人がやり合っていた時だった。
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