聞こえる

　同期3人の定例飲み会、その日の会場は僕の家だった。

　酔いもそこそこ回り、それぞれが好き勝手に話題を放り込んでいた。

「お前ら知ってるか？　最近話題のニュース。猟奇的な連続殺人のやつ」
「えっ、何それ？」
「俺知ってる。あの似たような男ばかりが殺されるやつだろ？」
「そうそう！　怖いよなぁ。姿形が似ているだけで他に関連性がないらしいんだよな」
「えー、それだけが理由なの？　なんでだろうね？」
「でな、その男の特徴が実は新平(しんぺい)に似てるんだよなぁ」
「あっ！　俺もそれ思った！」
「なんだよそれ！　やめろよなー」
「まぁ、そう遠くない場所での事件だからお前も気を付けろよって話だよ！」
「じゃー、この話は知ってるか？――」

　話題は転々とし次の話題、次の話題と流れていく。よくもまぁ話題が出てくるなと感心してしまう。