聞こえる

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「俺発表したい事があります!」  おもむろに1人の同期が手を挙げ勢いこみ出した。僕たちも酔いのせいか、なんだなんだと色めき出す。 「実は――」  同期が今まさに何かを発表しようとした時、一瞬世界が止まった。その瞬間何処からともなく声が聞こえてくる。滑舌がよく力強い声だった。 『そして! この男の口からは衝撃の事実が!』 ――ん? なんだ今のは? 「実は、俺受付のユキちゃんと付き合ってまーす!」 「おぉー! ホントに!? あのユキちゃんと!」  一瞬何か違和感を感じたが、同期が発言した内容が衝撃的であったので深く考える事なく、興味はそちらへ向かっていった。  その後は同期の恋バナでひと盛り上がりして、その飲み会は幕を閉じた。  
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