キスマーク

配信、サラリーマン、インマ

彼は便利なもんがあるよな、とスマホのカメラを自分に向けた。
あ、と掠れた呻き声と隠語の数々が社屋に響く。配信中のマークと増えていく閲覧数と彼の蕩けた顔に、誰にも見せたくないと呟いた。
挑発するような淫魔だから♡という答えも、きっと画面の向こうの誰も本気にはしていない。
俺だけが知る、彼の秘密だった。