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三人称、同僚、一生後悔する、濡れ場
独身最後の夜だから――
二人で呑む酒は最後じゃないけれど、でもこれを最後にすると杜は決めていた。今日が酛を好きでいる最後の日。
――なのに、どうして?
杜は酛の体を抱きしめて、熱い秘部を密着させていた。直接触れるはじめての酛の熱に、熱い吐息に脳髄まで侵されて思考を放棄する。
たかだか結婚、何も変わらない。
けれども酛は真面目だから、杜の想いに気づいたら苦しんでしまうから、好きだと想うのは今日で最後にすると決めていた。
杜は全身を酒で紅く染めて快感の息を吐いて朦朧としている。
これは合意とは言わない。酒の上での――、
それに気づいても酛は杜の手を離せない。今日限り、この先ずっと後悔するとわかっても、でも……
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