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ワンコ、ツンデレ、主従
木枯らしの中をずんずん進んでいく背中を追いかける。
着いて来ないで下さいと怒っているけど、だって離れてしまったら怒られるのは僕じゃない。
大好きな彼が怒られるのが嫌で後を追う。
――ねえ、戻ろうよ。
掴んだ手を彼が見た。頭一つまで近付いた彼との身長差。
あと二年もしたら横に並べるだろうか。
早く隣に並びたくて、背中に彼を守りたくて、まだ子供なことがもどかしい。
――ねえ、戻ろう?
きゅと手を握って、泣きそうな顔で見上げる。
彼がこの顔に弱いのを知っていてそうした。
ごめんねもう少し、僕に力がつくまでもう少し待っていて。
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