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「疲れた……」
スカイは、ヨボヨボと路地からでる道を曲がった。
「オヤジくさいぞ、スカイ」
アーロンは、スカイの後に続いて一緒に歩きながら言った。
「スカイ……ごめんね、私が捕まったりしなかったら……」
エンは、申し訳なさそうにうつむいた。
「エン……」
スカイは、エンを慰めようと右手を伸ばしかけたのだが……
「お前のせいではない。悪いのは、幼女をさらおうとしたあ奴らだ……」
っと、変わりにアーロンがエンの頭を撫でてみせた。
『こいつ……そう言えばとしの離れた妹がいたな、こいつも実は、シスコンやロリコンのたぐいなんじゃね~か?』
スカイは、後ろにいるアーロンをじ~っと見つめてみせた。
「スカイよ……男に見つめられても気色悪いだけなのだか……」
アーロンは、マスクをつけなおしながらイヤな顔をした。
「俺は、男に興味ね~よ! それより、お前こんなとこで何してたんだよ?」
スカイは、訊いた。
「俺は……」
アーロンは、言いたくないのか口をつぐんだ。
「私達、これから宿探して一日休んで船でクリスタル王国に向かうんですけど、アーロンさんも一緒に行きましょうよ!」
エンは、にっこりして言った。
「俺が……お前達とかぁ?」
アーロンは、けげんそうな顔をし、考えているようである。
「旅は、道連れ~!」
スカイのカバンから、コサメが出てきて言った。
「! ブルードラゴン?!」
アーロンは、カバンから出てきた小さなドラゴンに驚いた。
「前に、見たことなかったか? お前?」
スカイは、不思議そうな顔をした。
「いたか? こんなチビ?」
アーロンは、目をキラキラさせてポケットに入っていたあめ玉をコサメに与えた。
「くれるの~?」
コサメは、アーロンの手からあめ玉をうけとるとそれを自分の口に入れ頬でカラコロと転がしている。
「かわいい……」
アーロンは、呟いた。
『こいつも、かわいいもの好きなんかよ……』
スカイは、世の中の男どもは、かわいいものが好きなのかも知れない理論を立てつつあり、コサメ図録とか書物にしたら売れるんじゃね?っとか考えていた。
「んで、アーロンさんは一緒に行くのぉ~?」
コサメがつぶらな瞳で見つめるのでアーロンは、
「……く、 俺も行く!」
っと、呟いた。
しかして、三人と一匹は、一緒に泊まれそうな宿を探すことになったのである。
ー☆ー☆ー☆ー
ドサッ!
「はぁ~、やっと着いた……」
スカイは、宿屋というより民宿の部屋にひいてあるざこ寝布団に倒れこんだ!
「スカイ、だらしない……」
コサメは、アーロンからいろいろ甘い物を
受け取り食べながら言った。
「コサメ、虫歯になるぞ……」
スカイは、枕に顔をうめたまま言う。
「スカイパパは、うるさいでちゅね――?」
アーロンは、すっかり緩んだ顔でコサメに餌付けしている。
「お前は、キャラ変わりすぎだろ……」
スカイは、フラフラ立ち上がり
「エン……お茶」
っと、言って座椅子に座った。
「スカイ……それじゃ、本当にオヤジだよ」
エンは、茶筒の蓋をあけ茶葉を急須にいれお湯を入れて言った。
……「みんなで、俺をいじめるんだな……」
スカイは、茶をすすりながら呟いたのであった…………
夕食をすませ大浴場からあがって部屋に戻って来たエンは、悩んだ。
コサメは、とうの昔に大浴場にスカイと入って余分に運んでもらったマクラでスヤスヤ眠っている。アーロンさんの横で。
アーロンは、左はしに寝ていてコサメのたてがみを手ぐしで溶かしている
一方、スカイは右はしで寝そべってクリスタル王国の観光マップを広げている。
『私……どこで寝るのよ……』
エンが、じっと真ん中の布団空間を見つめていると、スカイと、アーロンは、二人仲良く
「こいよ……」
っと、にんまり笑って真ん中を指さして言った。
『いや……こんな時だけ仲良くされても……』
そう思ったが、とりあえず疲れているので
エンは、そこに横になっることにした。
そうして、横になったとたんに夢の中へと落ちていった…………__。
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