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ズドォ――――ンッ!
突然、もの凄い轟音が神殿の方角から響いた!
神殿の天井に穴があいているのが見えた。
スカイ達は、顔を見合せ先を走った。
「アクアッ!」
神殿の一部の天井が落ちその下敷きになったかと慌てて来たのだが、姫様は側にいた神官に守られていたようで、かすり傷程度ですんだみたいである。
「スカイ様……申し訳ありません、黒曜が……」
アクアが駆けよってきて頭をさげた
神官は
「突然来た、一人の黒い者に持っていかれました」
っと、丁寧に話した。
「黒曜が?!」
スカイは、もの思いに考え込もうとし
「いや……姫様と神官様がご無事で何よりでございました」
と、応えた。
エンは、アクアの腕をとり傷薬をぬってあげている。
その間スカイは、城へと報告に向かった。
スカイは、すぐさま謁見の間に通され今は、レイン王と共に話しあっていた。
「そうか……アクアは無事か
しかし、黒曜がまさか持って行かれるとは……」
レイン王も、馬鹿ではないあの邪気に満ちた魔剣黒曜が何者かに持って行かれたとあらばその意味するところは……
「悪用されますよね……?」
「うむ」
レイン王は、自身の顔から伸びる鯰髭を指で滑らし
「探しだせ」
っと、一言言った。
「御意」
スカイに、拒否権はなかった……
『はぁ、やれやれ……また、面倒ごとに巻き込まれたもんだ』
スカイは、ただのんびりゆったり旅をしながら医者という仕事をこなしたかっただけなのである。
しかしながら、自分が世話になっている王に逆らえる訳もなく……
「アクア様が、お戻りになられました」
謁見の間に入って来た兵士の一人が報告にやって来た。
後ろには、アクアと神官それからエンとコサメがいた。
「入りなさい」
レイン王は、皆を謁見の間に入れると
「アクア、無事で何よりである」
「お父様……申し訳ありません、わたくし黒曜を……」
「よい、この国に命より大切なものはない」
レイン王の言葉には、威厳がある。
姫君は、瞳にためたそれを自ら拭き取ると
「はい」
っと、言った。
「スカイ、あとは頼む……」
レイン王は、立ち上がり頭を自ら下げた
スカイは片膝をつき
「尽力注ぎます!」
っと言ったのであった。
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