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尽力注ぎます。
とは、言ったものの
黒曜の追跡などどうしたら良いものか……
スカイは、自室のベッドで仰向けの状態で考えをめぐらしている。
コンコン
ドアがノックされエンが顔を出した
「お前……相変わらず返事する前に開けるのな……」
エンは、スカイの寝っ転がっているベッドに腰掛け
「どうするの?」
っと聴いてきた。
「う~ん、考え中……
どっちにしても旅の用意は、してたから良いんだけど目的地もなく彷徨うのもな」
「そうね」
エンも考えだしてしまった。
姫様と神官様が言うには、魔族であろうそいつは、東の空に向かって飛んで行ったらしい。
「東かぁ、ちょっと地図とってくれコサメ」
コサメは、スカイの机に置いてあった地図をベッドに広げた
「クリスタル王国。この先は……魔境……
絶対なんか怪しいな」
「なんっていうか誘われて、のこのこ行く感じよね」
「僕もそう思う」
三人は、腕組みした。
「そう言えば、アーロンさんも結局みつからなかったわよね」
エンは、腕組みしたまま言った
「アーロンの事だから、生きてはいるだろうしあちら側にまさかいる訳ではないと俺は思ってるよ。ただ、今はカインやベンには、顔合わせずらいんだろ……」
「スカイってなんだかんだアーロンさんの事嫌いでは、ないわよね」
エンは、ちょっと膨れて
「焼きもちやきそう……」
と、小声で言った。
「なんか、言った?」
スカイは、じっと地図に目線を落としたまま訊いた
「なにも~」
エンは、応えた。
…………
スカイは、
「コサメ~甘いもの食べたくないか~」
っと、ポケットから銀一枚出して渡してやった。
「わ~、買ってくる~」
コサメは、さっさと菓子屋に飛んで行った。
「私も、食べたいんだけど……」
エンが、こう言うことがわかっていたスカイは、
「お前には、これやるよ」
っと言ってちょっと頬を赤く染めて自分につけていた指輪をはめてくれた。
「これ……」
それは、水色水晶でできていて明らかにお前は、俺の物だと主張されているような気がしてくるものであった。
「俺のとお揃いだぞ」
っと、スカイは、左手の薬指を出してニヤリとした。
「ありがとう……」
エンは、指輪をぎゅっと握りしめてはにかんだ。
スカイは、エンの顎を優しく持ちそして、
「チョコ菓子買ってきたよ~」
コサメが、良いタイミングで帰って来たのである。
しかして、エンが避けたことでスカイは、ベッドから転げ落ちたのであった…………
スカイは、けっこう痛かったであろう打ち付けた額をさすりながら
「俺……本当にこんなのばっか……」
っと、へこんだ。
そんな、スカイをエンはちょっとピンクに染めた頬で
「そう言えば、サンドイッチ結局持って帰ってきたのだけどちょうど三時のおやつだし食べる?」
っと、訊いた。
エンは、スカイに飴と鞭をあたえるのが
最近楽しくなってきていた。
そんな事とは、思わずスカイは、五歳児のごとく
「食べる」
っと、幼稚な返事を返したのである。
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